急性A型大動脈解離に合併する頚部内頚動脈閉塞症に対して頚動脈ステント留置術を施行した1例
症例は52歳女性.突然の意識障害と左片麻痺を呈し搬送となった.頭部MRIでは超急性期脳梗塞,頭頚部MRAでは右ICA閉塞症を認めた.胸部造影CTではStanford A型大動脈解離があり,A型大動脈解離に伴う右ICA閉塞と診断した.心臓血管外科と協議し,右ICA血行再建術後に上行大動脈人工血管置換術を行う方針とした.脳再灌流までの時間を考慮し頚動脈ステント留置術(carotid artery stenting: CAS)を選択し開始24分後,発症141分後に完了した.続いて上行大動脈人工血管置換術が施行され,発症18日目にmRS 1で退院となった.A型大動脈解離に合併するICA閉塞はA型大動脈...
Saved in:
| Published in | 脳卒中 Vol. 46; no. 6; pp. 459 - 465 |
|---|---|
| Main Authors | , , , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本脳卒中学会
2024
日本脳卒中学会 |
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0912-0726 1883-1923 |
| DOI | 10.3995/jstroke.11229 |
Cover
| Summary: | 症例は52歳女性.突然の意識障害と左片麻痺を呈し搬送となった.頭部MRIでは超急性期脳梗塞,頭頚部MRAでは右ICA閉塞症を認めた.胸部造影CTではStanford A型大動脈解離があり,A型大動脈解離に伴う右ICA閉塞と診断した.心臓血管外科と協議し,右ICA血行再建術後に上行大動脈人工血管置換術を行う方針とした.脳再灌流までの時間を考慮し頚動脈ステント留置術(carotid artery stenting: CAS)を選択し開始24分後,発症141分後に完了した.続いて上行大動脈人工血管置換術が施行され,発症18日目にmRS 1で退院となった.A型大動脈解離に合併するICA閉塞はA型大動脈解離の約10%に認め,術後機能予後は不良である.その要因として脳再灌流までの時間の長さが挙げられる.人工血管置換術前のCASは症例選択と手技の工夫により安全かつ短時間の脳再灌流が期待できる. |
|---|---|
| ISSN: | 0912-0726 1883-1923 |
| DOI: | 10.3995/jstroke.11229 |