快適な寝床内気候を目指した寝床内温度コントロールの基礎検討

「1. はじめに」睡眠には1日の1/3の時間が費やされており, 身体諸機能を健常に保つために必要不可欠である. 睡眠に影響を及ぼす要素は数多く存在し, それらが複雑に作用しあって睡眠環境, つまり, 寝室環境および寝床内環境を形成している. 中でも温熱, 光, 音は睡眠に影響を及ぼす三大環境要因といわれており, これまでの研究結果から, これらの要因の中でも温熱環境条件が睡眠に及ぼす影響が最も大きく, 睡眠の質的レベルに大きく関わっていることが明らかになっている[1~4]. 覚醒時に比べて睡眠中は体温調節機能が著しく低下しており[5], 寝室や寝床内の温熱条件の影響を受けやすいので, 身体に優...

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Published in感性工学研究論文集 Vol. 5; no. 4; pp. 39 - 44
Main Authors 鈴木, 伸吾, 安田, 昌司, 岡田, 志麻, 福井, 利尚, 飯田, 健夫, 黒田, 征平, 藤原, 義久, 牧川, 方昭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本感性工学会 2005
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ISSN1346-1958
1884-524X
DOI10.5057/jjske2001.5.4_39

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Summary:「1. はじめに」睡眠には1日の1/3の時間が費やされており, 身体諸機能を健常に保つために必要不可欠である. 睡眠に影響を及ぼす要素は数多く存在し, それらが複雑に作用しあって睡眠環境, つまり, 寝室環境および寝床内環境を形成している. 中でも温熱, 光, 音は睡眠に影響を及ぼす三大環境要因といわれており, これまでの研究結果から, これらの要因の中でも温熱環境条件が睡眠に及ぼす影響が最も大きく, 睡眠の質的レベルに大きく関わっていることが明らかになっている[1~4]. 覚醒時に比べて睡眠中は体温調節機能が著しく低下しており[5], 寝室や寝床内の温熱条件の影響を受けやすいので, 身体に優しく安眠が得られる温熱環境作りが重要である. また, 高齢化が進む日本では, 高齢者の睡眠環境についての問題点が指摘されてきている. 高齢者に対する冬季の睡眠環境に関する調査の結果, 若年者では寒さに対し寝室全体を暖房で暖めるのに対し, 高齢者では着衣や寝床加温器具を増やし自分の身体周りから整える傾向があると報告されている[6].
ISSN:1346-1958
1884-524X
DOI:10.5057/jjske2001.5.4_39