術前診断し得た不完全型胆囊捻転症に対し単孔式腹腔鏡下胆囊摘出術を施行した1 例
症例は79 歳女性で,突然の心窩部痛で当院救急外来に救急搬送。入院時造影CT で胆囊の腫大,壁肥厚,頸部の低吸収像を認めたが,胆囊壁は造影された。急性胆囊炎,不完全型胆囊捻転症疑いで当院内科入院。入院後心窩部痛は改善傾向であったが,MRCP で胆囊頸部の変形,欠損像を認め,不完全型胆囊捻転症の診断で,入院3 日目に単孔式腹腔鏡下胆囊摘出術を施行した。胆囊はGross 1 型胆囊捻転症で,胆囊頸部で時計回りに約135 度捻転していた。術後経過は良好であった。胆囊捻転症は遊離胆囊に発症するため腹腔鏡下胆囊摘出術のよい適応との報告が多く,補助鉗子の使用や開腹移行を前提としたうえで単孔式腹腔鏡下胆囊摘...
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Published in | 日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 42; no. 3; pp. 417 - 420 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本腹部救急医学会
31.03.2022
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Subjects | |
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ISSN | 1340-2242 1882-4781 |
DOI | 10.11231/jaem.42.417 |
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Summary: | 症例は79 歳女性で,突然の心窩部痛で当院救急外来に救急搬送。入院時造影CT で胆囊の腫大,壁肥厚,頸部の低吸収像を認めたが,胆囊壁は造影された。急性胆囊炎,不完全型胆囊捻転症疑いで当院内科入院。入院後心窩部痛は改善傾向であったが,MRCP で胆囊頸部の変形,欠損像を認め,不完全型胆囊捻転症の診断で,入院3 日目に単孔式腹腔鏡下胆囊摘出術を施行した。胆囊はGross 1 型胆囊捻転症で,胆囊頸部で時計回りに約135 度捻転していた。術後経過は良好であった。胆囊捻転症は遊離胆囊に発症するため腹腔鏡下胆囊摘出術のよい適応との報告が多く,補助鉗子の使用や開腹移行を前提としたうえで単孔式腹腔鏡下胆囊摘出術は有用な術式と考えられた。今回われわれは術前診断し得た不完全型胆囊捻転症に対し単孔式腹腔鏡下胆囊摘出術を施行した1 例を経験したので報告する。 |
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ISSN: | 1340-2242 1882-4781 |
DOI: | 10.11231/jaem.42.417 |