幽門側胃切除術Roux-en-Y再建後に発症した腸石による十二指腸憩室炎に対し憩室縫縮と減圧術を行った1例
症例は58歳,男性。2年前幽門狭窄を伴った胃潰瘍と胆石に対して幽門側胃切除Roux-en-Y再建術と胆囊摘出術を行った。右上腹部痛を主訴に近医を受診し当院へ救急搬送された。CT検査で十二指腸憩室内の腸石による炎症が疑われ内視鏡検査を行ったところ下行脚外側に憩室があり結石が嵌頓していたため内視鏡的に除去した。憩室壁は菲薄化,一部壊死し穿孔の危険性が高いと判断,開腹術を行った。憩室は大きく,脆く容易に破れ切除は困難と判断,憩室基部粘膜を縫合閉鎖後に憩室壁でラッピングし減圧用に十二指腸断端部から12Fr胃管と総胆管にT-tubeを留置して手術を終了した。術後創感染,肝機能障害はあったものの保存的に軽...
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Published in | 日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 41; no. 7; pp. 543 - 546 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本腹部救急医学会
30.11.2021
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Subjects | |
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ISSN | 1340-2242 1882-4781 |
DOI | 10.11231/jaem.41.7_543 |
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Summary: | 症例は58歳,男性。2年前幽門狭窄を伴った胃潰瘍と胆石に対して幽門側胃切除Roux-en-Y再建術と胆囊摘出術を行った。右上腹部痛を主訴に近医を受診し当院へ救急搬送された。CT検査で十二指腸憩室内の腸石による炎症が疑われ内視鏡検査を行ったところ下行脚外側に憩室があり結石が嵌頓していたため内視鏡的に除去した。憩室壁は菲薄化,一部壊死し穿孔の危険性が高いと判断,開腹術を行った。憩室は大きく,脆く容易に破れ切除は困難と判断,憩室基部粘膜を縫合閉鎖後に憩室壁でラッピングし減圧用に十二指腸断端部から12Fr胃管と総胆管にT-tubeを留置して手術を終了した。術後創感染,肝機能障害はあったものの保存的に軽快し第35病日に退院した。胃切除Roux-en-Y再建後に発症した腸石を伴った十二指腸憩室炎に対し憩室縫縮と減圧術を行った1例を経験したので報告する。 |
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ISSN: | 1340-2242 1882-4781 |
DOI: | 10.11231/jaem.41.7_543 |