腰椎分離症による若年者の難治性腰痛に高周波熱凝固法が奏功した1症例

腰椎分離症に伴う難治性腰痛に対して分離部へ高周波熱凝固法を行い,良好な経過を得た症例を経験したので報告する.【症例】17歳女性.バスケットボール部所属で受験を控えていた.他院で腰椎分離症と診断され,試合中の接触を契機に腰痛が悪化し,日常生活に支障をきたしたため当院を紹介された.【初診時現症】持続的な左腰痛を認め,体幹の回旋で増悪した.左への荷重動作が困難で跛行が見られた.腰椎単純CTで第5腰椎の左関節突起間部と棘突起に分離を認めた.【経過】患者は非侵襲的な治療を希望されたが,運動療法では十分な効果が得られず,薬物療法は希望されなかった.腰痛により学業に支障がでていたため,神経ブロックを行う方針...

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Published in日本ペインクリニック学会誌 Vol. 32; no. 2; pp. 30 - 34
Main Authors 渡辺, 雅之, 大岩, 彩乃, 中村, 瑞道, 濱口, 孝幸, 倉田, 二郎, 八反丸, 善康
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本ペインクリニック学会 25.02.2025
日本ペインクリニック学会
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ISSN1340-4903
1884-1791
DOI10.11321/jjspc.24-0022

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Summary:腰椎分離症に伴う難治性腰痛に対して分離部へ高周波熱凝固法を行い,良好な経過を得た症例を経験したので報告する.【症例】17歳女性.バスケットボール部所属で受験を控えていた.他院で腰椎分離症と診断され,試合中の接触を契機に腰痛が悪化し,日常生活に支障をきたしたため当院を紹介された.【初診時現症】持続的な左腰痛を認め,体幹の回旋で増悪した.左への荷重動作が困難で跛行が見られた.腰椎単純CTで第5腰椎の左関節突起間部と棘突起に分離を認めた.【経過】患者は非侵襲的な治療を希望されたが,運動療法では十分な効果が得られず,薬物療法は希望されなかった.腰痛により学業に支障がでていたため,神経ブロックを行う方針とした.分離部への直接的な局所麻酔薬の投与で,短期的に腰痛は消失した.長期的効果を得る目的で分離部へ60℃・6分間の高周波熱凝固法を施行した.施行後より腰痛の軽減を認め,跛行が改善した.6カ月経過後も症状の悪化を認めず,その間に受験を無事に終えることができた.【結語】腰椎分離症の腰痛は,分離部のRFTCを行うことで長期の腰痛軽減効果を得る可能性がある.
ISSN:1340-4903
1884-1791
DOI:10.11321/jjspc.24-0022