腸閉塞を契機に発見された真性腸石を伴うMeckel憩室の1例

• Published in: 日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 41; no. 5; pp. 367 - 370
• Main Authors: 中屋, 誠一, 佐川, 弘之, 早川, 俊輔, 高橋, 広城, 松尾, 洋一, 柳田, 剛, 田中, 達也, 加藤, 潤紀, 瀧口, 修司, 小川, 了, 藤幡, 士郎
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 日本腹部救急医学会 31.07.2021
• Subjects: Meckel憩室; 憩室炎; 真性腸石
• ISSN: 1340-2242; 1882-4781
• DOI: 10.11231/jaem.41.5_367

症例は87歳女性で，前日からの下腹部痛で当院を受診した。炎症反応の上昇は認めなかったもののCT上，小腸の拡張と内部に球状異物を認め，異物による腸閉塞の診断で同日緊急手術を施行した。腹腔鏡で観察後，高度な癒着のため開腹に移行した。拡張部位はMeckel憩室であり，憩室内に4cm大の結石が嵌頓していた。小腸を切除し憩室および結石を摘出した。病理組織学的所見では憩室粘膜に壊死，出血，膿瘍の所見を認めていた。腸石については成分分析の結果真性腸石と診断した。真性腸石を伴うMeckel憩室炎により腹痛をきたした極めてまれな1例を経験したため，文献的考察を加え，報告する。