弓部大動脈人工血管置換術中の末梢側吻合部出血に対してステントグラフト内挿術で止血し得た一例

弓部大動脈人工血管置換術(TAR)は,胸部ステントグラフト内挿術(TEVAR)が登場した現在でも,弓部大動脈瘤に対する標準術式である.しかしその末梢側吻合は症例によっては視野が深く難渋することがある.ひとたび吻合部出血が起こると,人工心肺下,左開胸を追加しての止血操作となることがあり,その侵襲は非常に大きなものとなる.われわれはそのような症例に対し,置換し終えた弓部人工血管の側枝から胸部ステントグラフトを順行性に挿入し出血をコントロールし得た症例を経験した.術中の人工血管吻合部出血に対しステントグラフトにて止血し得た報告は珍しく,文献的考察を含め報告する....

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Published in日本血管外科学会雑誌 Vol. 29; no. 1; pp. 1 - 4
Main Authors 阿部, 真一郎, 村山, 博和, 椛沢, 政司, 林田, 直樹, 長谷川, 秀臣, 浅野, 宗一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本血管外科学会 21.01.2020
日本血管外科学会
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ISSN0918-6778
1881-767X
DOI10.11401/jsvs.19-00071

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Summary:弓部大動脈人工血管置換術(TAR)は,胸部ステントグラフト内挿術(TEVAR)が登場した現在でも,弓部大動脈瘤に対する標準術式である.しかしその末梢側吻合は症例によっては視野が深く難渋することがある.ひとたび吻合部出血が起こると,人工心肺下,左開胸を追加しての止血操作となることがあり,その侵襲は非常に大きなものとなる.われわれはそのような症例に対し,置換し終えた弓部人工血管の側枝から胸部ステントグラフトを順行性に挿入し出血をコントロールし得た症例を経験した.術中の人工血管吻合部出血に対しステントグラフトにて止血し得た報告は珍しく,文献的考察を含め報告する.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.19-00071