超音波検査で観察されたバージャー病コルクスクリュー側副路の検討

【目的】バージャー病(TAO)は,動静脈の血栓性閉塞部の血栓と血管壁の炎症性変化を認める疾患として報告され,しばしば壊死のため肢切断に至る難治疾患である.診断するうえで重要な所見であるコルクスクリュー側副路(CS)は,主として血管造影で診断されるが,超音波検査にて評価することも可能である.【方法】TAOと診断された22例に対し,血管造影でのCSの診断に基づき超音波検査を加え,周囲の神経や動脈との関係を観察した.【結果】全例にてCSの同定が可能であり,さらにCSと神経が伴走していることが確認できた.CSの存在部位は閉塞した動脈周辺以外にも存在し,神経内・外を伴走するものが確認でき,神経栄養血管が...

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Published in日本血管外科学会雑誌 Vol. 32; no. 5; pp. 345 - 350
Main Authors 小泉, 伸也, 加賀山, 知子, 久米, 博子, 岩井, 武尚, 本間, 香織, 櫻澤, 健一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本血管外科学会 16.09.2023
日本血管外科学会
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ISSN0918-6778
1881-767X
DOI10.11401/jsvs.23-00033

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Summary:【目的】バージャー病(TAO)は,動静脈の血栓性閉塞部の血栓と血管壁の炎症性変化を認める疾患として報告され,しばしば壊死のため肢切断に至る難治疾患である.診断するうえで重要な所見であるコルクスクリュー側副路(CS)は,主として血管造影で診断されるが,超音波検査にて評価することも可能である.【方法】TAOと診断された22例に対し,血管造影でのCSの診断に基づき超音波検査を加え,周囲の神経や動脈との関係を観察した.【結果】全例にてCSの同定が可能であり,さらにCSと神経が伴走していることが確認できた.CSの存在部位は閉塞した動脈周辺以外にも存在し,神経内・外を伴走するものが確認でき,神経栄養血管が発達した側副路であることが示唆された.【結論】CSを検索する場合は動脈周囲だけでなく,動脈と伴走しない神経が走行している部位についても観察することが重要である.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.23-00033