塞栓性脳梗塞再発時に診断されたcarotid webに対し頚動脈ステント留置術を施行した1例

50歳代女性.午睡後の左上肢感覚障害で受診.MRI, MRAで右M2領域の急性期脳梗塞と診断,t-PA, 血栓回収は適応外であり,保存的加療.翌日MRAで閉塞部位は再開通していた.経胸壁心エコー,体幹部CT, ホルター心電図で塞栓源や不整脈.頚部MRAで有意狭窄なく,頚動脈エコーは未施行.ホルモン,各種抗体検査で異常.塞栓性梗塞とてDOAC開始となり,軽度感覚障害あるも独歩自宅退院.3カ月後同部位に脳塞栓が再発し入院.頚動脈エコー,CTAより右内頚動脈にcarotid web(CW)が疑われ脳血管撮影を施行,同部位に造影剤の鬱滞が見られた.CWに起因する再発塞栓性梗塞と診断,DAPTとし後日頚...

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Published in脳卒中 Vol. 46; no. 4; pp. 316 - 320
Main Authors 渡邊, 善一郎, 大貫, 亮慶, 小林, 祐太, 亀野, 力哉, 藤森, 大智, 宗像, 良二, 堀内, 一臣, 生沼, 雅博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中学会 2024
日本脳卒中学会
Subjects
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ISSN0912-0726
1883-1923
DOI10.3995/jstroke.11197

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Summary:50歳代女性.午睡後の左上肢感覚障害で受診.MRI, MRAで右M2領域の急性期脳梗塞と診断,t-PA, 血栓回収は適応外であり,保存的加療.翌日MRAで閉塞部位は再開通していた.経胸壁心エコー,体幹部CT, ホルター心電図で塞栓源や不整脈.頚部MRAで有意狭窄なく,頚動脈エコーは未施行.ホルモン,各種抗体検査で異常.塞栓性梗塞とてDOAC開始となり,軽度感覚障害あるも独歩自宅退院.3カ月後同部位に脳塞栓が再発し入院.頚動脈エコー,CTAより右内頚動脈にcarotid web(CW)が疑われ脳血管撮影を施行,同部位に造影剤の鬱滞が見られた.CWに起因する再発塞栓性梗塞と診断,DAPTとし後日頚動脈ステント留置術を施行.その後は再発なく経過している.CWに起因する脳梗塞は再発リスクが高いとされる.本症例は抗凝固療法中に再発を来しており,若年の脳塞栓ではCWを見逃さず,適切に治療することが重要と思われた.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.11197