腹腔鏡下に根治術を行ったS状結腸間膜窩ヘルニアの1例

S状結腸間膜窩ヘルニアは稀な内ヘルニアの一つであり,今回われわれは術前にS状結腸間膜ヘルニアと診断し,腹腔鏡下に根治術を施行した.症例は54歳,女性.突然の下腹部痛を主訴に当院を受診した.既往に右卵巣核出術,左卵巣嚢腫摘出術があった.腹部造影CTで小腸の拡張と内腔の液体貯留,S状結腸間膜の背側に嵌頓したclosed loopの形成を認め,癒着性腸閉塞ではなく,S状結腸間膜ヘルニアを疑い,緊急手術を施行した.S状結腸間膜窩ヘルニアの所見であり,解放した嵌頓小腸に明らかな血流障害がないことを確認し,ヘルニア門を縫合閉鎖した....

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 83; no. 1; pp. 112 - 116
Main Authors 和氣, 仁美, 國土, 典宏, 野原, 京子, 榎本, 直記, 山田, 和彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2022
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.83.112

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Summary:S状結腸間膜窩ヘルニアは稀な内ヘルニアの一つであり,今回われわれは術前にS状結腸間膜ヘルニアと診断し,腹腔鏡下に根治術を施行した.症例は54歳,女性.突然の下腹部痛を主訴に当院を受診した.既往に右卵巣核出術,左卵巣嚢腫摘出術があった.腹部造影CTで小腸の拡張と内腔の液体貯留,S状結腸間膜の背側に嵌頓したclosed loopの形成を認め,癒着性腸閉塞ではなく,S状結腸間膜ヘルニアを疑い,緊急手術を施行した.S状結腸間膜窩ヘルニアの所見であり,解放した嵌頓小腸に明らかな血流障害がないことを確認し,ヘルニア門を縫合閉鎖した.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.83.112