緊急腹腔鏡下手術が有用であった盲腸捻転症の1 例

症例は39 歳女性。突然発症した激しい腹痛のため当院へ救急搬送された。来院時,腹部全体に圧痛を認めたが,血液検査では異常を認めなかった。腹部造影CT 検査では腹部正中〜左側に著明な腸管拡張像と右下腹部にwhirl sign を認めた。絞扼性イレウスを疑い,来院後3 時間で緊急手術を行う方針とした。腹腔鏡下に観察を行うと,拡張した腸管は右側結腸であり,盲腸捻転症と診断した。腸管壊死を認めなかったため,捻転腸管の整復と虫垂切除を施行した。術後経過は良好で術後5 日目に退院した。術後1 年経過したが再発を認めていない。盲腸捻転症は比較的まれな疾患であり,救急外来で正確な診断に至るのはときに困難と思わ...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 42; no. 3; pp. 413 - 415
Main Authors 豊田, 秀一, 石川, 奈美, 元木, 宣孝, 奥村, 隆志, 久保, 進祐
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 31.03.2022
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem.42.413

Cover

More Information
Summary:症例は39 歳女性。突然発症した激しい腹痛のため当院へ救急搬送された。来院時,腹部全体に圧痛を認めたが,血液検査では異常を認めなかった。腹部造影CT 検査では腹部正中〜左側に著明な腸管拡張像と右下腹部にwhirl sign を認めた。絞扼性イレウスを疑い,来院後3 時間で緊急手術を行う方針とした。腹腔鏡下に観察を行うと,拡張した腸管は右側結腸であり,盲腸捻転症と診断した。腸管壊死を認めなかったため,捻転腸管の整復と虫垂切除を施行した。術後経過は良好で術後5 日目に退院した。術後1 年経過したが再発を認めていない。盲腸捻転症は比較的まれな疾患であり,救急外来で正確な診断に至るのはときに困難と思われる。今回われわれは診断と治療を兼ねた緊急の腹腔鏡下手術が有用であった症例を経験したため,CT 検査の3D 画像構築での検討も加えて報告する。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.42.413