胸部大動脈ステントグラフト留置後のtype II エンドリークに対してCT like image ガイド下に塞栓術を施行した1 例

要旨:症例は79 歳女性.上行弓部大動脈瘤,心房細動に対して弓部大動脈置換術およびメイズ手術を施行された.その2 年後に,拡大傾向にあった遠位弓部大動脈瘤および下行胸部大動脈瘤に対してステントグラフト留置術が施行された.退院後のCT で,気管支動脈からと思われるtype II エンドリークと,それに伴う瘤径の拡大を認めた.定期的なCT にて慎重に経過観察とされたが,およそ1 年後に食道の圧排による通過障害も出現してきたため,可及的早期の治療を要するものと考えられた.全身状態が不良であり,観血的治療を行うのは困難であると判断され,直接穿刺による塞栓術を行う方針となった.塞栓術は,cone bea...

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Published in日本血管外科学会雑誌 Vol. 23; no. 5; pp. 869 - 873
Main Authors 高橋, 昌一, 片田, 芳明, 近藤, 俊一, 籠島, 彰人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本血管外科学会 2014
日本血管外科学会
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ISSN0918-6778
1881-767X
DOI10.11401/jsvs.13-00115

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Summary:要旨:症例は79 歳女性.上行弓部大動脈瘤,心房細動に対して弓部大動脈置換術およびメイズ手術を施行された.その2 年後に,拡大傾向にあった遠位弓部大動脈瘤および下行胸部大動脈瘤に対してステントグラフト留置術が施行された.退院後のCT で,気管支動脈からと思われるtype II エンドリークと,それに伴う瘤径の拡大を認めた.定期的なCT にて慎重に経過観察とされたが,およそ1 年後に食道の圧排による通過障害も出現してきたため,可及的早期の治療を要するものと考えられた.全身状態が不良であり,観血的治療を行うのは困難であると判断され,直接穿刺による塞栓術を行う方針となった.塞栓術は,cone beam CT 撮影によるCT like imaging ガイド下に局所麻酔下で行った.合併症なく手技を終了し,術後18 日目に退院となった.退院半年後のCT では,エンドリークの消失が確認され,瘤の縮小がみられた.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.13-00115