虫垂自体が絞扼帯となり生じた絞扼性腸閉塞の1例

症例は54歳,女性。手術歴はない。3日間持続する腹痛,発熱を主訴に当院救急外来を受診した。腹部造影CT所見で骨盤腔内に小腸のclosed loopを認め,絞扼性腸閉塞と診断し,同日,腹腔鏡下に緊急手術を行った。虫垂末梢が炎症によって後腹膜と癒着することでヘルニア門が形成され,小腸が約20 cmに渡り絞扼されていた。絞扼を解除すると腸管血流が改善されたため,腸切除はせずに虫垂切除のみを行った。術後はとくに問題なく経過し,術後7日目に退院した。虫垂炎を契機に後腹膜と虫垂がヘルニア門を形成し絞扼性腸閉塞を引き起こした1例を経験したので報告する。...

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Published in日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 41; no. 3; pp. 205 - 208
Main Authors 小林, 毅大, 三森, 教雄, 藤崎, 宗春, 池上, 徹, 増田, 隆洋
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 31.03.2021
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ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem.41.3_205

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Summary:症例は54歳,女性。手術歴はない。3日間持続する腹痛,発熱を主訴に当院救急外来を受診した。腹部造影CT所見で骨盤腔内に小腸のclosed loopを認め,絞扼性腸閉塞と診断し,同日,腹腔鏡下に緊急手術を行った。虫垂末梢が炎症によって後腹膜と癒着することでヘルニア門が形成され,小腸が約20 cmに渡り絞扼されていた。絞扼を解除すると腸管血流が改善されたため,腸切除はせずに虫垂切除のみを行った。術後はとくに問題なく経過し,術後7日目に退院した。虫垂炎を契機に後腹膜と虫垂がヘルニア門を形成し絞扼性腸閉塞を引き起こした1例を経験したので報告する。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.41.3_205