下大静脈腫瘍進展を伴う腎細胞癌に対する術式の工夫
【目的】腎細胞癌では,静脈内へ腫瘍進展が認められる症例があり,同症例に対する当院での術式の工夫について,検討した.【対象と方法】過去22 年間で,静脈内腫瘍進展を伴う腎細胞癌に対し手術治療を施行した66 例のうち,Level I;腫瘍先進部が腎静脈合流部より2 cm 以内に進展する症例,Level II;腫瘍先進部が肝静脈流入部より尾側の下大静脈まで進展する症例,Level III;腫瘍先進部が肝静脈流入部よりも頭側の下大静脈に進展する症例,を対象とし,いずれも体外循環を用いずに治療した.【結果】腫瘍の先進部はLevel I;10 例,Level II;17 例,Level III;3 例.全...
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Published in | 静脈学 Vol. 27; no. 1; pp. 1 - 5 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本静脈学会
2016
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Subjects | |
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ISSN | 0915-7395 2186-5523 |
DOI | 10.7134/phlebol.15-14 |
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Summary: | 【目的】腎細胞癌では,静脈内へ腫瘍進展が認められる症例があり,同症例に対する当院での術式の工夫について,検討した.【対象と方法】過去22 年間で,静脈内腫瘍進展を伴う腎細胞癌に対し手術治療を施行した66 例のうち,Level I;腫瘍先進部が腎静脈合流部より2 cm 以内に進展する症例,Level II;腫瘍先進部が肝静脈流入部より尾側の下大静脈まで進展する症例,Level III;腫瘍先進部が肝静脈流入部よりも頭側の下大静脈に進展する症例,を対象とし,いずれも体外循環を用いずに治療した.【結果】腫瘍の先進部はLevel I;10 例,Level II;17 例,Level III;3 例.全例で腫瘍遺残なく手術治療を完遂し,周術期死亡は認めなかった.9 例で術後合併症を認めたが,いずれも保存的に軽快した.【結語】当院で行っている体外循環を使用せずに行う腫瘍摘除および下大静脈縫合閉鎖術により,満足のいく手術成績が得られた. |
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ISSN: | 0915-7395 2186-5523 |
DOI: | 10.7134/phlebol.15-14 |