下肢静脈瘤を合併した変形性膝関節症の膝関節症状に対する下肢静脈瘤血管内焼灼術の改善効果

変形性膝関節症を合併した下肢静脈瘤の患者で,血管内治療の術後に膝関節症状が改善することをしばしば経験する.下肢静脈瘤の治療における両疾患の相互関係を知ることは,下肢静脈瘤の手術適応を決定する上で重要であると考え,自覚症状の改善度を評価するために問診票による調査を行った.2014年12月から2015年5月までの6カ月間および2018年10月から2019年3月までの6カ月間の計12カ月間に変形性膝関節症を合併した下肢静脈瘤の患者35例(男性7例,女性28例)を対象とした.変形性膝関節症を進行度別に分類し,血管内治療後の膝関節症状の改善度について比較検討した.進行度が高くなると改善度が低くなるが,す...

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Published in静脈学 Vol. 30; no. 3; pp. 279 - 283
Main Authors 大賀, 勇輝, 松永, 匡史, 因來, 泰彦, 進藤, 明, 杉山, 悟, 松原, 進
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本静脈学会 05.09.2019
Subjects
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ISSN0915-7395
2186-5523
DOI10.7134/phlebol.19-08

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Summary:変形性膝関節症を合併した下肢静脈瘤の患者で,血管内治療の術後に膝関節症状が改善することをしばしば経験する.下肢静脈瘤の治療における両疾患の相互関係を知ることは,下肢静脈瘤の手術適応を決定する上で重要であると考え,自覚症状の改善度を評価するために問診票による調査を行った.2014年12月から2015年5月までの6カ月間および2018年10月から2019年3月までの6カ月間の計12カ月間に変形性膝関節症を合併した下肢静脈瘤の患者35例(男性7例,女性28例)を対象とした.変形性膝関節症を進行度別に分類し,血管内治療後の膝関節症状の改善度について比較検討した.進行度が高くなると改善度が低くなるが,すべての病期において改善を示した症例が認められ,全体では25例(71.4%)の患者で膝関節症状が改善した.変形性膝関節症を合併した症例は,膝関節病変の進行度にかかわらず,下肢静脈瘤の手術治療を行うことを推奨したい.
ISSN:0915-7395
2186-5523
DOI:10.7134/phlebol.19-08