膵性腹水を合併した膵仮性囊胞腹腔内破裂に対する腹腔鏡下膵囊胞ドレナージ術

症例は51歳,男性。上腹部痛を主訴に近医を受診。腹部単純CT検査で大量腹水を認めたため,当院を紹介受診した。腹水穿刺し採取した腹水中のアミラーゼ値は,28,100U/Lと高値を示し,膵性腹水と診断した。内視鏡的逆行性膵管造影で膵尾側に存在する膵仮性囊胞からの造影剤の漏出を認め,膵仮性囊胞の腹腔内破裂と診断した。内視鏡下膵管チューブ留置が不可能であり,経胃的ドレナージ術も困難であったため,腹腔鏡下に腹腔および膵仮性囊胞のドレナージ術を施行した。術後腹部所見は軽快し,残存した膵尾部の仮性囊胞に対して,術後20日に超音波内視鏡下経胃膵囊胞ドレナージ術を施行した。膵性腹水を伴う膵仮性囊胞破裂に対する外...

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Published in日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 41; no. 4; pp. 301 - 303
Main Authors 高台, 真太郎, 清水, 貞利, 金沢, 景繁, 出口, 惣大, 西口, 幸雄, 塚本, 忠司, 村田, 哲洋
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 31.07.2021
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ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem.41.4_301

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Summary:症例は51歳,男性。上腹部痛を主訴に近医を受診。腹部単純CT検査で大量腹水を認めたため,当院を紹介受診した。腹水穿刺し採取した腹水中のアミラーゼ値は,28,100U/Lと高値を示し,膵性腹水と診断した。内視鏡的逆行性膵管造影で膵尾側に存在する膵仮性囊胞からの造影剤の漏出を認め,膵仮性囊胞の腹腔内破裂と診断した。内視鏡下膵管チューブ留置が不可能であり,経胃的ドレナージ術も困難であったため,腹腔鏡下に腹腔および膵仮性囊胞のドレナージ術を施行した。術後腹部所見は軽快し,残存した膵尾部の仮性囊胞に対して,術後20日に超音波内視鏡下経胃膵囊胞ドレナージ術を施行した。膵性腹水を伴う膵仮性囊胞破裂に対する外科治療として,腹腔鏡下膵囊胞ドレナージ術は低侵襲で有効な一手段と考えられる。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.41.4_301