下肢静脈瘤に対するシアノアクリレート系接着材による血管内治療のガイドライン

シアノアクリレート系接着材による血管内治療(cyanoacrylate closure: CAC)は,熱焼灼およびTLA麻酔を用いないnon-thermal non-tumescent(NTNT)治療の1つで,わが国では2019年にVenaSealクロージャーシステムがCACとして初めて保険認可された.本ガイドラインは,CACを安全かつ適切に施行するために,日本静脈学会ガイドライン委員会が中心となって血管内焼灼術に精通した専門医集団によって作成された.CACの適応は有症状の一次性静脈瘤であり,シアノアクリレート系接着材に対するアレルギー歴は禁忌となる.CAC特有の合併症としてシアノアクリレート...

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Published in静脈学 Vol. 31; no. 3; pp. 141 - 152
Main Authors 佐戸川, 弘之, 伊藤, 孝明, 孟, 真, 広川, 雅之, 八巻, 隆, 小野澤, 志郎, 菅野, 範英, 杉山, 悟, 保科, 克行, 八杉, 巧, 諸國, 眞太郎, 小畑, 貴司, 白杉, 望
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本静脈学会 25.12.2020
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ISSN0915-7395
2186-5523
DOI10.7134/phlebol.20-20

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Summary:シアノアクリレート系接着材による血管内治療(cyanoacrylate closure: CAC)は,熱焼灼およびTLA麻酔を用いないnon-thermal non-tumescent(NTNT)治療の1つで,わが国では2019年にVenaSealクロージャーシステムがCACとして初めて保険認可された.本ガイドラインは,CACを安全かつ適切に施行するために,日本静脈学会ガイドライン委員会が中心となって血管内焼灼術に精通した専門医集団によって作成された.CACの適応は有症状の一次性静脈瘤であり,シアノアクリレート系接着材に対するアレルギー歴は禁忌となる.CAC特有の合併症としてシアノアクリレートに対する遅延型過敏症あるいは異物反応による“phlebitis”が6.3%に認められる.一次性下肢静脈瘤の治療は,CACの導入によりさらに低侵襲化すると期待されるが,長期成績は不明であり,今後はエビデンス,経験の蓄積を行っていく必要がある.
ISSN:0915-7395
2186-5523
DOI:10.7134/phlebol.20-20