市区町村の健康政策策定プロセスにおける行政担当者の満足度と環境整備への関心
目的: 市区町村健康政策行政担当者の属性・意識・生活状況と政策中の環境整備指標の採用度および策定における満足度との関連を明らかにする.対象および方法: 関東地方1都6県の509市区町村における主な担当者に対し, 郵送法による質問紙調査を実施した. 現状特定・現状分析・問題と課題の決定・政策形成要因, 政策中の諸指標, 策定プロセスにおける満足度, 価値観と情況を調査項目とし, 有効回答274名 (回収率60.2%) のうち満足度と各論における環境整備指標の採用に関する質問にそれぞれ回答のあった143名ならびに149名を分析対象とした. 環境整備指標採用度ならびに担当者の満足度をそれぞれ従属変数...
Saved in:
Published in | 順天堂医学 Vol. 53; no. 4; pp. 605 - 614 |
---|---|
Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
順天堂医学会
2007
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0022-6769 2188-2134 |
DOI | 10.14789/pjmj.53.605 |
Cover
Summary: | 目的: 市区町村健康政策行政担当者の属性・意識・生活状況と政策中の環境整備指標の採用度および策定における満足度との関連を明らかにする.対象および方法: 関東地方1都6県の509市区町村における主な担当者に対し, 郵送法による質問紙調査を実施した. 現状特定・現状分析・問題と課題の決定・政策形成要因, 政策中の諸指標, 策定プロセスにおける満足度, 価値観と情況を調査項目とし, 有効回答274名 (回収率60.2%) のうち満足度と各論における環境整備指標の採用に関する質問にそれぞれ回答のあった143名ならびに149名を分析対象とした. 環境整備指標採用度ならびに担当者の満足度をそれぞれ従属変数とし, 各質問項目との四分表を作成し, 二項ロジスティック回帰分析によりオッズ比 (OR) および95%信頼区間 (CI) を求めた.結果: 健康政策策定プロセスにおいては, 庁内の公私にわたる交流が環境整備指標採用度と, 庁外の交流や担当者の内面的情況が満足度と関連していた. 担当者の価値観と情況においては, 自らの健康がつくられる場所 (地域), 時 (食事中) を認めないことが満足度や環境整備指標採用度と関連していた. その他においては, 他課職員の巻き込みが環境整備指標採用度と関連していた.結論: 健康政策策定プロセスにおける, 庁舎内外の組織的・個人的交流は, 行政担当者の満足度を促すと同時に環境整備にも有益である. 一方で, 満足度が高く環境整備の採用に関心がある場合, 健康をつくる時 (食生活) と場所 (地域性) が乏しい者が多いという側面においては, サービス提供者として矛盾が生じていた. この矛盾に注目した実態解明が必要である. |
---|---|
ISSN: | 0022-6769 2188-2134 |
DOI: | 10.14789/pjmj.53.605 |