乳房脂肪腫内に発生した高分化型脂肪肉腫の1例
乳房に発生した脂肪腫内の異型脂肪腫様腫瘍/高分化型脂肪肉腫(以下,高分化型脂肪肉腫)の非常にまれな1例を報告する.症例は70歳の女性.乳癌検診マンモグラフィで,左BD領域皮下の5cm大の腫瘤(カテゴリー2)の精査目的で当乳腺外科を受診した.組織生検では,脂肪腫と高分化型脂肪肉腫との鑑別診断ができなかったため,腫瘤を含めた広範囲切除術を施行した.摘出標本の割面では,脂肪腫内に2cm大の赤褐色の境界不整な腫瘍を認め,免疫組織化学染色(IHC)を含む組織学的検査で高分化型脂肪肉腫と診断した.脂肪腫内に発生した高分化型脂肪肉腫の術前診断は,非常に困難である.5cm~10cmまでの脂肪腫では,広範囲切除...
        Saved in:
      
    
          | Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 84; no. 5; pp. 695 - 699 | 
|---|---|
| Main Authors | , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            日本臨床外科学会
    
        2023
     | 
| Subjects | |
| Online Access | Get full text | 
| ISSN | 1345-2843 1882-5133  | 
| DOI | 10.3919/jjsa.84.695 | 
Cover
| Summary: | 乳房に発生した脂肪腫内の異型脂肪腫様腫瘍/高分化型脂肪肉腫(以下,高分化型脂肪肉腫)の非常にまれな1例を報告する.症例は70歳の女性.乳癌検診マンモグラフィで,左BD領域皮下の5cm大の腫瘤(カテゴリー2)の精査目的で当乳腺外科を受診した.組織生検では,脂肪腫と高分化型脂肪肉腫との鑑別診断ができなかったため,腫瘤を含めた広範囲切除術を施行した.摘出標本の割面では,脂肪腫内に2cm大の赤褐色の境界不整な腫瘍を認め,免疫組織化学染色(IHC)を含む組織学的検査で高分化型脂肪肉腫と診断した.脂肪腫内に発生した高分化型脂肪肉腫の術前診断は,非常に困難である.5cm~10cmまでの脂肪腫では,広範囲切除を行い,摘出標本のIHCを含む組織学的検査を行うことも治療選択肢の一つである. | 
|---|---|
| ISSN: | 1345-2843 1882-5133  | 
| DOI: | 10.3919/jjsa.84.695 |