国産人工養殖サンゴ外骨格の骨補填材料としての可能性

1979年に初めてヒトに対して応用されてから,天然サンゴの外骨格は骨補填材として臨床応用されてきた.天然サンゴ(ハマサンゴ)は,海綿骨に類似した構造を有し,埋植後の初期機械的特性が類似しているという理由から選ばれた.サンゴ外骨格は炭酸カルシウムの結晶の一種であるAragoniteで構成されており,多孔性であることが特徴である.in vitroやin vivoの実験によってサンゴ外骨格の生体適合性,骨伝導性および生体吸収性がこれまでに明らかにされた.サンゴ外骨格は成長因子の適切なキャリアとして機能し,細胞の付着,成長,拡散および分化を可能にするため,天然サンゴ外骨格は優れた骨補填剤であると報告さ...

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Published in日本再生歯科医学会誌 Vol. 23; no. 1; pp. 9 - 15
Main Authors 伊達岡, 聖, 田幡, 元, 池田, 隼人, 松田, 哲史, 鈴木, 克京, 富永, 和也, 上村, 直也, 西川, 哲成, 吉田, 彩, 岡村, 友玄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本再生歯科医学会 2025
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ISSN1348-9615
1880-0815
DOI10.11223/jard.23.9

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Summary:1979年に初めてヒトに対して応用されてから,天然サンゴの外骨格は骨補填材として臨床応用されてきた.天然サンゴ(ハマサンゴ)は,海綿骨に類似した構造を有し,埋植後の初期機械的特性が類似しているという理由から選ばれた.サンゴ外骨格は炭酸カルシウムの結晶の一種であるAragoniteで構成されており,多孔性であることが特徴である.in vitroやin vivoの実験によってサンゴ外骨格の生体適合性,骨伝導性および生体吸収性がこれまでに明らかにされた.サンゴ外骨格は成長因子の適切なキャリアとして機能し,細胞の付着,成長,拡散および分化を可能にするため,天然サンゴ外骨格は優れた骨補填剤であると報告されている.本稿では,環境破壊問題によって存続の懸念がある天然サンゴの代替品として人工養殖されたサンゴの一種であるMontipora digitataの外骨格由来骨補填材に関連する研究をレビューする.
ISSN:1348-9615
1880-0815
DOI:10.11223/jard.23.9