糖尿病患者の栄養指導内容の検討 生活習慣調査と平成19年県民健康・栄養調査の結果を比較して

糖尿病患者の生活習慣の特徴をふまえた栄養・生活指導を行なうため生活習慣について調査・検討したので報告する。 〔調査方法〕当院の糖尿病患者に生活習慣についてアンケートを実施した。 〔検討項目〕糖尿病患者と平成19年長野県民健康・栄養調査結果における生活習慣の比較,糖尿病患者の生活習慣と食行動変容ステージの関係である。 〔結果および考察〕糖尿病患者は県民に比べ朝欠食,間食のある人が多かったが,糖尿病患者のうち維持期の女性では朝欠食のない人が多かったことから朝欠食の是正には欠食者のステージを把握しステージに合わせた指導が必要と考えられた。県民に比べ喫煙者が多かったが,糖尿病患者のうち準備期と維持期の...

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Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 60; no. 6; pp. 758 - 763
Main Authors 宮尾, 真由美, 酒井, 寿明, 横田, 佐和子, 井原, 朗子, 秋月, 章
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 31.03.2012
日本農村医学会
Subjects
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ISSN0468-2513
1349-7421
DOI10.2185/jjrm.60.758

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Summary:糖尿病患者の生活習慣の特徴をふまえた栄養・生活指導を行なうため生活習慣について調査・検討したので報告する。 〔調査方法〕当院の糖尿病患者に生活習慣についてアンケートを実施した。 〔検討項目〕糖尿病患者と平成19年長野県民健康・栄養調査結果における生活習慣の比較,糖尿病患者の生活習慣と食行動変容ステージの関係である。 〔結果および考察〕糖尿病患者は県民に比べ朝欠食,間食のある人が多かったが,糖尿病患者のうち維持期の女性では朝欠食のない人が多かったことから朝欠食の是正には欠食者のステージを把握しステージに合わせた指導が必要と考えられた。県民に比べ喫煙者が多かったが,糖尿病患者のうち準備期と維持期の男性では禁煙者が多かったことから,喫煙者が準備期以上の場合は禁煙の機会と捉え禁煙をすすめていくことも重要であると考えられた。県民に比べストレスを感じている人は少ないが,糖尿病患者のうちストレスを感じている人は睡眠6時間未満で多かったため,血糖コントロールの悪化を招く場合も考えられ,栄養指導では睡眠時間も聞き取っていく必要があると考えられた。さらに糖尿病患者は運動習慣のある人が少なく,準備期の男性,無関心期と関心期の女性に運動習慣のない人が多かったことから,運動習慣のない場合,運動療法の必要性を認識させ,個別カリキュラムの立案が必要と考えられた。
ISSN:0468-2513
1349-7421
DOI:10.2185/jjrm.60.758