歯周病菌の静脈内投与による血管病変動物モデルの検討

要約:【背景】Porphyromonas gingivalis (Pg)やTreponema denticola(Td)などの歯周病菌と末梢血管疾患の関連性が指摘されており,静脈内に直接口腔内細菌を注入し,反応がおこるかを観察した.【材料と方法】ビーグル犬の静脈内に口腔内細菌としてPg 菌,Td 菌を注入し,その後静脈および血液を採取し,光学顕微鏡による病理学的検査とPCR 法を用いた菌の検出を試みた.【結果】血液からはPCR 法で菌を検出できず,またTd 菌を投与した静脈からは菌を検出できなかったものの,Pg 菌を投与した静脈からは菌を検出できた.病理学的検査では,Td 菌,Pg 菌ともに,...

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Published in静脈学 Vol. 26; no. 1; pp. 41 - 46
Main Authors 猪狩, 公宏, 寺崎, 宏明, 井上, 芳徳, 岩井, 武尚
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本静脈学会 2015
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ISSN0915-7395
2186-5523
DOI10.7134/phlebol.14-19

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Summary:要約:【背景】Porphyromonas gingivalis (Pg)やTreponema denticola(Td)などの歯周病菌と末梢血管疾患の関連性が指摘されており,静脈内に直接口腔内細菌を注入し,反応がおこるかを観察した.【材料と方法】ビーグル犬の静脈内に口腔内細菌としてPg 菌,Td 菌を注入し,その後静脈および血液を採取し,光学顕微鏡による病理学的検査とPCR 法を用いた菌の検出を試みた.【結果】血液からはPCR 法で菌を検出できず,またTd 菌を投与した静脈からは菌を検出できなかったものの,Pg 菌を投与した静脈からは菌を検出できた.病理学的検査では,Td 菌,Pg 菌ともに,濃度依存性に静脈内および周囲に炎症性変化を確認することができた.【結語】静脈に選択的に口腔内細菌を投与することで,これまで論じられている歯周病と末梢血管疾患を含めた全身疾患との関連を直接的に実験,観察しうる可能性がある.
ISSN:0915-7395
2186-5523
DOI:10.7134/phlebol.14-19