腹部大動脈人工血管置換術後の難治性Perigraft Seromaに対してステントグラフト治療を用いた一例

Perigraft seroma(PGS)は人工血管を用いた手術の比較的稀な合併症である.腹部大動脈瘤に対して2度の人工血管置換術施行後,合併した難治性PGSに対してステントグラフト内挿術(EVAR)を施行し良好な結果を得られたので報告する.症例は78歳男性.腹部大動脈瘤に対してexpanded polytetrafluoroethylene(ePTFE)グラフトによる人工血管置換術を施行した.術後PGSが増大しイレウス症状も呈するようになったため2年後にpolyester knittedグラフトによる再人工血管置換術を施行した.しかし,PGSがさらに再発したためExcluderを用いてEVA...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本血管外科学会雑誌 Vol. 28; no. 4; pp. 259 - 261
Main Authors 安藤, 敬, 岡田, 拓, 小池, 祐哉, 秋山, 大地, 竹田, 誠, 松井, 青史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本血管外科学会 03.07.2019
日本血管外科学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0918-6778
1881-767X
DOI10.11401/jsvs.19-00024

Cover

More Information
Summary:Perigraft seroma(PGS)は人工血管を用いた手術の比較的稀な合併症である.腹部大動脈瘤に対して2度の人工血管置換術施行後,合併した難治性PGSに対してステントグラフト内挿術(EVAR)を施行し良好な結果を得られたので報告する.症例は78歳男性.腹部大動脈瘤に対してexpanded polytetrafluoroethylene(ePTFE)グラフトによる人工血管置換術を施行した.術後PGSが増大しイレウス症状も呈するようになったため2年後にpolyester knittedグラフトによる再人工血管置換術を施行した.しかし,PGSがさらに再発したためExcluderを用いてEVARを施行し,その後はPGSの再燃は認めなかった.2度の腹部大動脈人工血管置換術後に合併した難治性PGSに対してEVARによる治療は有効であった.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.19-00024