虫垂重積症をきたした低異型度虫垂粘液性腫瘍に対し盲腸切除を施行した1例
症例は69歳,女性。間歇的な腹痛を主訴に当院を受診。CTで腸重積症が疑われ,下部消化管内視鏡検査を施行後に入院となった。その後も症状が繰り返されるため当科紹介となり緊急手術が施行された。手術は腹腔鏡下盲腸切除術が施行された。切除標本は虫垂根部の腫瘤を先進部として盲腸内に嵌入していた。病理診断は低異型度虫垂粘液性腫瘍(low-grade appendiceal mucinous neoplasm:以下,LAMN)であった。LAMNは従来の粘液囊胞腺腫や粘液囊胞腺癌に該当し,大腸癌取扱い規約第8版において新たに分類されたが,治療法について明確な基準が存在しない。さらに虫垂重積症を伴う場合,整復の是...
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| Published in | 日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 43; no. 4; pp. 797 - 800 |
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| Main Authors | , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本腹部救急医学会
31.05.2023
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| Subjects | |
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| ISSN | 1340-2242 1882-4781 |
| DOI | 10.11231/jaem.43.797 |
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| Summary: | 症例は69歳,女性。間歇的な腹痛を主訴に当院を受診。CTで腸重積症が疑われ,下部消化管内視鏡検査を施行後に入院となった。その後も症状が繰り返されるため当科紹介となり緊急手術が施行された。手術は腹腔鏡下盲腸切除術が施行された。切除標本は虫垂根部の腫瘤を先進部として盲腸内に嵌入していた。病理診断は低異型度虫垂粘液性腫瘍(low-grade appendiceal mucinous neoplasm:以下,LAMN)であった。LAMNは従来の粘液囊胞腺腫や粘液囊胞腺癌に該当し,大腸癌取扱い規約第8版において新たに分類されたが,治療法について明確な基準が存在しない。さらに虫垂重積症を伴う場合,整復の是非といった新たな問題点も加わり,より一層治療方針について判断に苦慮する。よって,今後さらなる症例の蓄積により早急なガイドラインの作成が必要であると考える。 |
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| ISSN: | 1340-2242 1882-4781 |
| DOI: | 10.11231/jaem.43.797 |