破裂性腹部大動脈瘤の開腹手術とステントグラフト内挿術の医療費の比較

【目的】破裂性腹部大動脈瘤(AAA)に対する緊急開腹手術(OR)と緊急ステントグラフト内挿術(SG)の医療資源を比較して医療経済上の相違を検討すること.【方法】対象は2011~2018年に当院で経験したRutherfordレベル2~4でinstruction for use(IFU)外のためORを施行した21例(OR群)とIFU内でSGを施行した14例(SG群)であった.術前因子,術中因子,術後成績,医療費を比較した.【結果】2群間の術前重症度,総輸血量,術後成績に有意差は認めなかった.麻酔時間と手術時間はOR群が有意に長く,医療材料費はSG群で有意に高額であった.【結論】SG群は高額な医療材...

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Published in日本血管外科学会雑誌 Vol. 29; no. 3; pp. 145 - 149
Main Authors 篠永, 真弓, 倉岡, 節夫, 三富, 樹郷, 鈴木, 脩平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本血管外科学会 06.06.2020
日本血管外科学会
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ISSN0918-6778
1881-767X
DOI10.11401/jsvs.19-00060

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Summary:【目的】破裂性腹部大動脈瘤(AAA)に対する緊急開腹手術(OR)と緊急ステントグラフト内挿術(SG)の医療資源を比較して医療経済上の相違を検討すること.【方法】対象は2011~2018年に当院で経験したRutherfordレベル2~4でinstruction for use(IFU)外のためORを施行した21例(OR群)とIFU内でSGを施行した14例(SG群)であった.術前因子,術中因子,術後成績,医療費を比較した.【結果】2群間の術前重症度,総輸血量,術後成績に有意差は認めなかった.麻酔時間と手術時間はOR群が有意に長く,医療材料費はSG群で有意に高額であった.【結論】SG群は高額な医療材料を消費した.破裂性AAAに対する緊急手術では,SG群はOR群に比して,統計学的有意差はないものの,初回入院時の総医療費が高く入院期間が延長する傾向にあったが,手術時間と麻酔時間は有意に短縮されていた.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.19-00060