ステントグラフト内挿術後のタイプ2 エンドリークに対して血管造影ガイド下腹腔鏡下下腸間膜動脈および腰動脈結紮術を施行した1 例

要旨:腹部大動脈瘤に対してステントグラフト内挿術後,下腸間膜動脈および腰動脈からの持続性タイプ2 エンドリークによる瘤径拡大がみられた症例に対し,血管造影ガイド下に腹腔鏡下下腸間膜動脈および腰動脈結紮術を施行した1 例を経験したので報告する.症例は85 歳男性で51 mm の腹部大動脈瘤に対し,2008 年エクスクルーダーを用いたステントグラフト内挿術を施行した.術後定期検査CT にて下腸間膜動脈,腰動脈からの持続的タイプ2 エンドリークを認め術後36 カ月の時点で63 mm まで瘤径拡大を認めたため追加治療を行うこととした.まずは経動脈塞栓術を試みたが,不成功であったため血管造影ガイドにてエ...

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Published in日本血管外科学会雑誌 Vol. 22; no. 6; pp. 902 - 906
Main Authors 荻野, 秀光, 池谷, 佑樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本血管外科学会 2013
日本血管外科学会
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ISSN0918-6778
1881-767X
DOI10.11401/jsvs.13-00009

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Summary:要旨:腹部大動脈瘤に対してステントグラフト内挿術後,下腸間膜動脈および腰動脈からの持続性タイプ2 エンドリークによる瘤径拡大がみられた症例に対し,血管造影ガイド下に腹腔鏡下下腸間膜動脈および腰動脈結紮術を施行した1 例を経験したので報告する.症例は85 歳男性で51 mm の腹部大動脈瘤に対し,2008 年エクスクルーダーを用いたステントグラフト内挿術を施行した.術後定期検査CT にて下腸間膜動脈,腰動脈からの持続的タイプ2 エンドリークを認め術後36 カ月の時点で63 mm まで瘤径拡大を認めたため追加治療を行うこととした.まずは経動脈塞栓術を試みたが,不成功であったため血管造影ガイドにてエンドリーク血管を同定しながら腹腔鏡下に結紮した.血管造影にてエンドリーク消失を確認し終了した.追加治療術後12 カ月のCT でエンドリーク消失と瘤径縮小を確認している.この方法は低侵襲かつ効果的であったと考えられる.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.13-00009