バージャー病に対する脊髄刺激療法の有効性は皮膚灌流圧で評価可能か

バージャー病による重症虚血肢で日常生活に大きく影響を与えるものとして,四肢壊死による肢切断がある.薬物療法や神経ブロック,外科的血行再建術などの治療選択肢があるが,これらの治療に抵抗性を示す症例がある.今回,治療抵抗性を示していた1例に脊髄刺激療法を行い,治療評価に皮膚灌流圧検査を用いた症例を経験したので報告する.本症例は脊髄刺激療法前に皮膚灌流圧検査を施行したところ30 mmHg以下であり,重症虚血肢と判断した.脊髄刺激療法後には皮膚灌流圧は徐々に40 mmHg以上へと上昇し,それとともに症状の改善がみられ,日常生活の活動性も改善した.バージャー病に対する脊髄刺激療法の有用性を皮膚灌流圧によ...

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Published in日本ペインクリニック学会誌 Vol. 26; no. 1; pp. 23 - 27
Main Authors 佐藤, 暢一, 落合, 亮一, 大岩, 彩乃, 坂本, 典昭, 新井, 美和子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本ペインクリニック学会 25.02.2019
日本ペインクリニック学会
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ISSN1340-4903
1884-1791
DOI10.11321/jjspc.17-0024

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Summary:バージャー病による重症虚血肢で日常生活に大きく影響を与えるものとして,四肢壊死による肢切断がある.薬物療法や神経ブロック,外科的血行再建術などの治療選択肢があるが,これらの治療に抵抗性を示す症例がある.今回,治療抵抗性を示していた1例に脊髄刺激療法を行い,治療評価に皮膚灌流圧検査を用いた症例を経験したので報告する.本症例は脊髄刺激療法前に皮膚灌流圧検査を施行したところ30 mmHg以下であり,重症虚血肢と判断した.脊髄刺激療法後には皮膚灌流圧は徐々に40 mmHg以上へと上昇し,それとともに症状の改善がみられ,日常生活の活動性も改善した.バージャー病に対する脊髄刺激療法の有用性を皮膚灌流圧により評価可能であることが示唆された.
ISSN:1340-4903
1884-1791
DOI:10.11321/jjspc.17-0024