新型コロナウイルス感染下に発生した急性肝不全に対して脳死肝移植を施行した一例

2019年末に中国武漢で報告され,流行した新型コロナウイルス(以下COVID-19)感染症により,移植医療はレシピエントのCOVID-19感染,移植のための人の往来による感染伝播,移植後患者のCOVID-19感染のリスクなど様々な問題に直面した.実際に,それらの問題のため,COVID-19流行前の2019年と流行後の2020年以降2022年末までの臓器提供数,脳死肝移植症例数を比較すると,減少している.今回COVID-19感染下に発症した急性肝不全患者に対して,診断早期から多職種間,施設間で連携をとり,適切なタイミングで脳死肝移植を施行した一例を経験したので,文献的考察を加えて報告する....

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Published in肝臓 Vol. 65; no. 1; pp. 19 - 24
Main Authors 金高, 賢悟, 原, 貴信, 丸屋, 安広, 福本, 将之, 江口, 晋, 日髙, 匡章, 曽山, 明彦, 岡野, 慎士, 足立, 智彦, 松島, 肇, 布下, 裕基, 今村, 一歩
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 01.01.2024
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ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.65.19

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Summary:2019年末に中国武漢で報告され,流行した新型コロナウイルス(以下COVID-19)感染症により,移植医療はレシピエントのCOVID-19感染,移植のための人の往来による感染伝播,移植後患者のCOVID-19感染のリスクなど様々な問題に直面した.実際に,それらの問題のため,COVID-19流行前の2019年と流行後の2020年以降2022年末までの臓器提供数,脳死肝移植症例数を比較すると,減少している.今回COVID-19感染下に発症した急性肝不全患者に対して,診断早期から多職種間,施設間で連携をとり,適切なタイミングで脳死肝移植を施行した一例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.65.19