コイル塞栓術により止血を得た左浅大腿動脈瘤破裂の1 例

要旨:症例は92 歳男性.2 カ月前より左大腿部に腫瘤を自覚.急激な増大傾向と強い疼痛を生じ,当院受診.造影CT 検査で腫瘤は左浅大腿動脈瘤(径9 cm)であり,周囲組織への血管外漏出を認めたため,浅大腿動脈破裂と診断した.血腫の増大と貧血の進行を伴っていたため,緊急で浅大腿動脈のコイル塞栓術を施行した.術後に動脈瘤は血栓化し,疼痛は軽快した.術後約1 年2 カ月の現在も再開通を認めていない.また,浅大腿動脈瘤より末梢の浅大腿,膝窩動脈は,破裂時にはすでに閉塞しており,側副血行路が十分形成されていたため,血行再建は行わなかった.現在まで虚血症状は出現していない....

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Published in日本血管外科学会雑誌 Vol. 23; no. 4; pp. 809 - 813
Main Authors 古山, 正, 小野原, 俊博, 奈田, 慎一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本血管外科学会 2014
日本血管外科学会
Subjects
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ISSN0918-6778
1881-767X
DOI10.11401/jsvs.13-00098

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Summary:要旨:症例は92 歳男性.2 カ月前より左大腿部に腫瘤を自覚.急激な増大傾向と強い疼痛を生じ,当院受診.造影CT 検査で腫瘤は左浅大腿動脈瘤(径9 cm)であり,周囲組織への血管外漏出を認めたため,浅大腿動脈破裂と診断した.血腫の増大と貧血の進行を伴っていたため,緊急で浅大腿動脈のコイル塞栓術を施行した.術後に動脈瘤は血栓化し,疼痛は軽快した.術後約1 年2 カ月の現在も再開通を認めていない.また,浅大腿動脈瘤より末梢の浅大腿,膝窩動脈は,破裂時にはすでに閉塞しており,側副血行路が十分形成されていたため,血行再建は行わなかった.現在まで虚血症状は出現していない.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.13-00098