内シャントを用いずに施行したCEA連続400症例における周術期脳梗塞の検討 術中モニタリングおよび術後のDWIの結果より

「はじめに」 頚動脈血栓内膜剥離術(以下CEA)が内科的治療に優れるための周術期の死亡および脳梗塞の合併症は, 症候性70%以上の狭窄では6% 13), 50-70%では2% 1), 無症候性60%以上の狭窄では3% 5)以下であることが術者に求められる. 脳梗塞の原因として, 塞栓性あるいは血行力学的な要因がある. 血流遮断時における血行力学的な脳梗塞を予防するため, 一般的には内シャントを全例, あるいは選択的に挿入する場合が多い. 一方当院では, 熟練者の指導のもと, 多くの初心者がCEAを行ってきた. 初心者によるシャントトラブル(塞栓性脳梗塞や血管解離など)を避けるため, 当初より内...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 40; no. 2; pp. 94 - 99
Main Authors 兒玉, 裕司, 久我, 純弘, 大西, 英之, 山下, 太郎, 中嶋, 千也, 富永, 貴志, 林, 真人, 福留, 賢二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2012
日本脳卒中の外科学会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.40.94

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Summary:「はじめに」 頚動脈血栓内膜剥離術(以下CEA)が内科的治療に優れるための周術期の死亡および脳梗塞の合併症は, 症候性70%以上の狭窄では6% 13), 50-70%では2% 1), 無症候性60%以上の狭窄では3% 5)以下であることが術者に求められる. 脳梗塞の原因として, 塞栓性あるいは血行力学的な要因がある. 血流遮断時における血行力学的な脳梗塞を予防するため, 一般的には内シャントを全例, あるいは選択的に挿入する場合が多い. 一方当院では, 熟練者の指導のもと, 多くの初心者がCEAを行ってきた. 初心者によるシャントトラブル(塞栓性脳梗塞や血管解離など)を避けるため, 当初より内シャントは用いなかった. 血流遮断時に生じうる血行力学的な脳梗塞を予防するため, モニタリング下に脳保護療法を施行してきた. シャントを使用しないCEAにおける周術期脳梗塞の詳細な報告は見当たらない. 当院における内シャントを使用せずに施行したCEA連続400症例の周術期脳梗塞の要因を, 術中の脳波(以下EEG), 体性感覚誘発電位(以下SEP)および術後の拡散強調MRI(以下DWI)を用いて検討し, 報告する.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.40.94