Arteriomegaly を伴った繰り返す大腿動脈瘤の1 手術例

要旨:腹部大動脈から下肢動脈にかけてびまん性の血管拡張を認める病態はarteriomegaly といわれており稀な疾患である.Arteriomegaly の症例の多くは腹部大動脈瘤や膝窩動脈瘤を主とした末梢動脈瘤を合併するため,その手術戦略には工夫を要する.症例は45 歳男性,左大腿部の腫脹と間歇性跛行を主訴に来院.下肢造影CT を行ったところ,左総腸骨動脈の拡張,外腸骨動脈の蛇行・拡張,総大腿動脈から浅大腿動脈の瘤化とその内腔の血栓閉鎖を認めた.浅大腿動脈瘤を形成していた部位は11 年前に仮性動脈瘤を形成して手術をしていた部位であった.手術は,外腸骨動脈から膝窩動脈にかけて人工血管にて下肢バ...

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Published in日本血管外科学会雑誌 Vol. 23; no. 1; pp. 25 - 28
Main Authors 山田, 卓史, 小野原, 大介, 久冨, 一輝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本血管外科学会 2014
日本血管外科学会
Subjects
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ISSN0918-6778
1881-767X
DOI10.11401/jsvs.13-00049

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Summary:要旨:腹部大動脈から下肢動脈にかけてびまん性の血管拡張を認める病態はarteriomegaly といわれており稀な疾患である.Arteriomegaly の症例の多くは腹部大動脈瘤や膝窩動脈瘤を主とした末梢動脈瘤を合併するため,その手術戦略には工夫を要する.症例は45 歳男性,左大腿部の腫脹と間歇性跛行を主訴に来院.下肢造影CT を行ったところ,左総腸骨動脈の拡張,外腸骨動脈の蛇行・拡張,総大腿動脈から浅大腿動脈の瘤化とその内腔の血栓閉鎖を認めた.浅大腿動脈瘤を形成していた部位は11 年前に仮性動脈瘤を形成して手術をしていた部位であった.手術は,外腸骨動脈から膝窩動脈にかけて人工血管にて下肢バイパス術を行い,浅大腿動脈瘤は血栓を摘出したのち瘤を縫縮した.良好な術後経過を得ることができたため文献的考察を含めて報告する.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.13-00049