気管支喘息治療に伴うたこつぼ型心筋症が原因となった脳塞栓症の1例

症例は67歳男性.気管支喘息発作の治療目的で入院した.β2刺激薬吸入剤の頻回使用が原因と考えられる,たこつぼ型心筋症を併発していた.抗凝固薬の投与は行っておらず,入院5日目に病室内にて意識障害で発見され脳梗塞と診断された.診断時,最終未発症確認時より3.5時間以上経過しており,左MCA閉塞とDWIで広範囲の虚血変化を認めたため(DWI-Alberta Stroke Program Early CT Score 4点),rt-PA療法は行わず,機械的血栓回収療法を行った.リハビリテーションを行い失語は残存するが,mRS 2で自宅退院した.たこつぼ型心筋症が疑われた場合,経過中に脳梗塞を合併する可...

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Published in脳卒中 Vol. 47; no. 2; pp. 125 - 129
Main Authors 小山, 玲奈, 上原, 卓実, 新垣, 辰也, 詫磨, 裕史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中学会 2025
日本脳卒中学会
Subjects
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ISSN0912-0726
1883-1923
DOI10.3995/jstroke.11268

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Summary:症例は67歳男性.気管支喘息発作の治療目的で入院した.β2刺激薬吸入剤の頻回使用が原因と考えられる,たこつぼ型心筋症を併発していた.抗凝固薬の投与は行っておらず,入院5日目に病室内にて意識障害で発見され脳梗塞と診断された.診断時,最終未発症確認時より3.5時間以上経過しており,左MCA閉塞とDWIで広範囲の虚血変化を認めたため(DWI-Alberta Stroke Program Early CT Score 4点),rt-PA療法は行わず,機械的血栓回収療法を行った.リハビリテーションを行い失語は残存するが,mRS 2で自宅退院した.たこつぼ型心筋症が疑われた場合,経過中に脳梗塞を合併する可能性を念頭に置くことは重要である.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.11268