S 状結腸瘻を合併した内腸骨動脈瘤破裂に対してステントグラフト内挿術を施行した1 例

要旨:症例は70 歳男性.平成18 年に腎動脈下腹部大動脈瘤破裂によりY 型人工血管置換術を受けた.平成24 年9 月に腹部膨隆感および下血を認めたため当院を紹介された.CT にて右内腸骨動脈瘤破裂および内腸骨動脈瘤-S 状結腸瘻と診断した.大量下血は来しておらず,Herald bleeding の状態であると考えられたため,治療に関しては右内腸骨動脈瘤への血流遮断および大量下血の予防としたステントグラフト内挿術および動脈瘤末梢の内腸骨動脈分枝のコイル塞栓を行った.術後造影CT では瘤拡大,内腔の濃染は認めなかった.下血も改善し,術後30 日目に独歩退院した.大量下血を来していないHerald...

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Published in日本血管外科学会雑誌 Vol. 22; no. 6; pp. 898 - 901
Main Authors 打田, 裕明, 山根, 吉貴, 向井, 省吾, 平岡, 俊文, 尾畑, 昇悟, 森元, 博信
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本血管外科学会 2013
日本血管外科学会
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ISSN0918-6778
1881-767X
DOI10.11401/jsvs.13-00008

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Summary:要旨:症例は70 歳男性.平成18 年に腎動脈下腹部大動脈瘤破裂によりY 型人工血管置換術を受けた.平成24 年9 月に腹部膨隆感および下血を認めたため当院を紹介された.CT にて右内腸骨動脈瘤破裂および内腸骨動脈瘤-S 状結腸瘻と診断した.大量下血は来しておらず,Herald bleeding の状態であると考えられたため,治療に関しては右内腸骨動脈瘤への血流遮断および大量下血の予防としたステントグラフト内挿術および動脈瘤末梢の内腸骨動脈分枝のコイル塞栓を行った.術後造影CT では瘤拡大,内腔の濃染は認めなかった.下血も改善し,術後30 日目に独歩退院した.大量下血を来していないHerald bleading の状態にある動脈瘤-結腸瘻においてはステントグラフト治療にて大量下血を予防できると考えられた.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.13-00008