当科における下肢静脈瘤に対するシアノアクリレートを用いた血管内塞栓術の早期成績
今回当科におけるシアノアクリレートを用いた塞栓術(CAC)の早期治療成績について報告する.対象は下肢静脈瘤に対するCAC治療患者32例(女性18例,平均年齢は64.2±1.6歳)とした.手術は大伏在静脈本幹病変にCAC施行後,周辺病変に対しては静脈結紮・瘤切除術を併用せず,血管内治療後2–4週間後に硬化療法のみを行う二期的手術とした.CAC施行後,硬化療法は24/32例(75.0%)で,大伏在静脈下腿残存本幹硬化療法は21/32(65.6%)例を要した.平均観察期間は8.6±0.9カ月で,治療本幹の再疎通はなかった.Hypersensitive reactionを4例(12.5%)認め,すべて...
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Published in | 静脈学 Vol. 34; no. 3; pp. 389 - 392 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本静脈学会
23.11.2023
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Subjects | |
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ISSN | 0915-7395 2186-5523 |
DOI | 10.7134/phlebol.23-17 |
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Summary: | 今回当科におけるシアノアクリレートを用いた塞栓術(CAC)の早期治療成績について報告する.対象は下肢静脈瘤に対するCAC治療患者32例(女性18例,平均年齢は64.2±1.6歳)とした.手術は大伏在静脈本幹病変にCAC施行後,周辺病変に対しては静脈結紮・瘤切除術を併用せず,血管内治療後2–4週間後に硬化療法のみを行う二期的手術とした.CAC施行後,硬化療法は24/32例(75.0%)で,大伏在静脈下腿残存本幹硬化療法は21/32(65.6%)例を要した.平均観察期間は8.6±0.9カ月で,治療本幹の再疎通はなかった.Hypersensitive reactionを4例(12.5%)認め,すべて治療本幹が体表から3 mm未満を走行している症例であった.CACは良好な治療本幹の閉塞率を得られたが,今後は塞栓長を延長して硬化療法の軽減を図り,CAC自体による治療効果の増大の検討を継続する. |
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ISSN: | 0915-7395 2186-5523 |
DOI: | 10.7134/phlebol.23-17 |