ノッチ型P波の目視と自動解析の相違と心血管イベントとの関連
背景:過去の報告で,心電図・誘導のノッチ型P波が心房細動の発症や心血管イベントに関連することが示されている.近年ではアルゴリズムで心電図の自動解析が可能になっている.本研究の目的はノッチ型のP波の自動解析と目視の相関について検討し,心血管イベントとの関連を調べることである. 方法:当院の100名の外来患者の心電図をアルゴリズムによる自動解析と目視でノッチ型P波の判定を行った.エンドポイントを致死性,非致死性心血管イベントで定義し,自動解析と目視のP波の有無と比較した. 結果:ノッチ型P波の自動解析と目視の相関はカッパ値=0.216であった.患者背景では,目視でのノッチ型P波群(N=16)がノッ...
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Published in | 心臓 Vol. 54; no. 10; pp. 1128 - 1133 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
15.10.2022
日本心臓財団・日本循環器学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo.54.1128 |
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Summary: | 背景:過去の報告で,心電図・誘導のノッチ型P波が心房細動の発症や心血管イベントに関連することが示されている.近年ではアルゴリズムで心電図の自動解析が可能になっている.本研究の目的はノッチ型のP波の自動解析と目視の相関について検討し,心血管イベントとの関連を調べることである. 方法:当院の100名の外来患者の心電図をアルゴリズムによる自動解析と目視でノッチ型P波の判定を行った.エンドポイントを致死性,非致死性心血管イベントで定義し,自動解析と目視のP波の有無と比較した. 結果:ノッチ型P波の自動解析と目視の相関はカッパ値=0.216であった.患者背景では,目視でのノッチ型P波群(N=16)がノッチがない群(N=84)に比べて高血圧症の率(100 vs. 88.1%,p=0.04)と虚血性心疾患の既往の率(43.8 vs. 16.7%,p=0.04)が高かった. 経過中2件の心血管イベントが発症し,目視でのノッチ型P波群で2例発生し,ノッチがない群の0例に比べて有意に多かったが(p=0.002),自動解析ではノッチ型P波群(N=14)で1例,ノッチがない群(N=86)で1例であり,両群に有意差はなかった. 結語:自動解析と目視のノッチ型P波には相違があり,目視のノッチ型P波は心血管イベントに関連していた. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.54.1128 |