入院期心不全患者の軽度認知機能障害がADL 改善効果に及ぼす影響
【目的】心不全における軽度認知機能障害(以下,MCI)が理学療法(以下,PT)によるADL 改善効果を制限するかについて検討する。【方法】病前ADL が自立であった心不全患者155 例を,MCI 群108 例と対照群47 例に分け,PT 開始時および退院時の身体機能を比較した。また,重回帰分析で退院時Barthel Index(以下,BI)の関連因子を検討した。【結果】PT 開始時のBI と下肢機能(以下,SPPB)はMCI 群で有意に低値であった。MCI 群の退院時BI は対照群と差がない値まで改善したが,MCI 群のSPPB は退院時も対照群よりも低値であった。MCI 患者の退院時BI の...
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Published in | 理学療法学 Vol. 48; no. 4; pp. 362 - 369 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人日本理学療法士協会
2021
日本理学療法士協会 |
Subjects | |
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ISSN | 0289-3770 2189-602X |
DOI | 10.15063/rigaku.11971 |
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Summary: | 【目的】心不全における軽度認知機能障害(以下,MCI)が理学療法(以下,PT)によるADL 改善効果を制限するかについて検討する。【方法】病前ADL が自立であった心不全患者155 例を,MCI 群108 例と対照群47 例に分け,PT 開始時および退院時の身体機能を比較した。また,重回帰分析で退院時Barthel Index(以下,BI)の関連因子を検討した。【結果】PT 開始時のBI と下肢機能(以下,SPPB)はMCI 群で有意に低値であった。MCI 群の退院時BI は対照群と差がない値まで改善したが,MCI 群のSPPB は退院時も対照群よりも低値であった。MCI 患者の退院時BI の関連因子は退院時SPPB であった。【結論】MCI では非MCI よりも入院時BI が低下するリスクが高いが,PT 実施によるBI 改善効果はMCI の有無にかかわらず同様であることが示された。 |
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ISSN: | 0289-3770 2189-602X |
DOI: | 10.15063/rigaku.11971 |