外傷性上行結腸壁内血腫の診断で結腸右半切除術を行った1例

症例は53歳,男性。仕事中に転倒し右側腹部を柵に強打した既往があった。右側腹部の打撲後より右側腹部痛が出現したが,症状が改善しないため受傷の翌日に前医を受診し,急性腹症が疑われ当科紹介となった。腹部所見では右側腹部に腫瘤を触れ圧痛著明で,前医での造影CT所見では上行結腸の腸管壁構造の破綻を疑う所見を認めた。受診3時間後のCT所見で右側結腸に血腫の増大を認めたため,同日緊急で開腹で結腸右半切除術を施行した。腹部鈍的外傷による消化管損傷には穿孔や腸間膜損傷が多く,壁内血腫はまれで好発部位としては十二指腸にもっとも多い結腸の外傷性壁内血腫は極めてまれであり,文献的考察を含め報告とする。...

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Published in日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 43; no. 1; pp. 39 - 42
Main Authors 本田, 善子, 高地, 良介, 渋谷, 和俊, 瓜田, 純久, 船橋, 公彦, 栃木, 直文, 深澤, 由里, 島田, 長人, 皆川, 輝彦, 笹嶋, 奈津子, 河野, 万希子, 大西, 賢, 池田, 裕一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 31.01.2023
Subjects
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ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem.43.39

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Summary:症例は53歳,男性。仕事中に転倒し右側腹部を柵に強打した既往があった。右側腹部の打撲後より右側腹部痛が出現したが,症状が改善しないため受傷の翌日に前医を受診し,急性腹症が疑われ当科紹介となった。腹部所見では右側腹部に腫瘤を触れ圧痛著明で,前医での造影CT所見では上行結腸の腸管壁構造の破綻を疑う所見を認めた。受診3時間後のCT所見で右側結腸に血腫の増大を認めたため,同日緊急で開腹で結腸右半切除術を施行した。腹部鈍的外傷による消化管損傷には穿孔や腸間膜損傷が多く,壁内血腫はまれで好発部位としては十二指腸にもっとも多い結腸の外傷性壁内血腫は極めてまれであり,文献的考察を含め報告とする。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.43.39