女子体操競技選手における膝前十字靭帯損傷の発生状況

【目的】女子体操競技選手の膝前十字靭帯(以下,ACL)損傷の発生状況を明らかにすること。【方法】対象は当院を受診し,膝関節疾患と診断された女子体操競技選手283 例とした。各疾患の発生率と年齢を調査した。ACL 損傷者の身長,体重,Body Mass Index,合併症,競技レベル,受傷時の種目(跳馬・段違い平行棒・平均台・床),受傷機転,受傷側,技実施時のひねり方向,受傷時に行った技の種類を調査し,受傷側とひねり方向の関連性を検討した。【結果】ACL 損傷は膝関節疾患の中で,2 番目に高率で発生し16・17 歳が好発年齢であった。受傷種目は床が多く,受傷機転は着地が大半を占めた。合併症は外側...

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Published in理学療法学 Vol. 48; no. 5; pp. 490 - 496
Main Authors 藤原, 教弘, 岡田, 亨, 内之倉, 真大, 宮内, 秀徳, 関口, 貴博, 大野, 達哉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人日本理学療法士協会 2021
日本理学療法士協会
Subjects
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ISSN0289-3770
2189-602X
DOI10.15063/rigaku.12051

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Summary:【目的】女子体操競技選手の膝前十字靭帯(以下,ACL)損傷の発生状況を明らかにすること。【方法】対象は当院を受診し,膝関節疾患と診断された女子体操競技選手283 例とした。各疾患の発生率と年齢を調査した。ACL 損傷者の身長,体重,Body Mass Index,合併症,競技レベル,受傷時の種目(跳馬・段違い平行棒・平均台・床),受傷機転,受傷側,技実施時のひねり方向,受傷時に行った技の種類を調査し,受傷側とひねり方向の関連性を検討した。【結果】ACL 損傷は膝関節疾患の中で,2 番目に高率で発生し16・17 歳が好発年齢であった。受傷種目は床が多く,受傷機転は着地が大半を占めた。合併症は外側半月板損傷が最多であった。受傷側とひねり方向の関連性が認められ,ひねり方向とは反対側の受傷が有意に多かった。【結論】女子体操競技のACL 損傷は,受傷側とひねり方向の関係性に競技特異性を反映した特徴が見られた。
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.12051