観測データに基づく信号生成システムの分岐構造の推定技術の開発
近年、健康医療分野での生体信号時系列のビッグデータ化が進んでいる。生体ビッグデータの分析は、疾患や健康リスクに関する新たな知見を与えるとの期待から国際的にも関心が高まっている。本研究では、生体信号時系列データが大規模に取得可能な近未来を念頭に、データからそれらを生成した動力学システムを推定する基盤技術の開発を行った。具体的には、時系列データに基づく信号生成システムの分岐構造(1パラメタ分岐図)の再構築手法の開発である。動力学システムの状態変数の質的・量的な急激なダイナミクスの変化には、システムパラメタ値の変化に伴う分岐現象が関わる。本研究では、ロジスティック写像とFitzHugh-南雲モデル(...
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Published in | Transactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual56; no. Abstract; p. S421 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本生体医工学会
2018
Japanese Society for Medical and Biological Engineering |
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ISSN | 1347-443X 1881-4379 |
DOI | 10.11239/jsmbe.Annual56.S421 |
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Summary: | 近年、健康医療分野での生体信号時系列のビッグデータ化が進んでいる。生体ビッグデータの分析は、疾患や健康リスクに関する新たな知見を与えるとの期待から国際的にも関心が高まっている。本研究では、生体信号時系列データが大規模に取得可能な近未来を念頭に、データからそれらを生成した動力学システムを推定する基盤技術の開発を行った。具体的には、時系列データに基づく信号生成システムの分岐構造(1パラメタ分岐図)の再構築手法の開発である。動力学システムの状態変数の質的・量的な急激なダイナミクスの変化には、システムパラメタ値の変化に伴う分岐現象が関わる。本研究では、ロジスティック写像とFitzHugh-南雲モデル(膜興奮モデル)を用いて、提案アルゴリズムの評価・検証を行った。各モデルにおいて、様々な分岐パラメタ値における時系列データを生成し、多層パーセプトロンを用いてベクトル場を学習し、学習後のノード間の重み空間に信号生成システムの分岐構造と同様な線形多様体が存在するとの仮定に基づき主曲線近似により分岐パラメタの推定と分岐構造の再構築を行った。両モデルにおいて、分岐構造の特徴(周期倍分岐・カオス、ホップ分岐・リミットサイクル等)が正確に再現された分岐図を再構築することができた。またデータ数やノイズ、隠れ層のノード数の影響等も行った。今後は、開発手法の汎用性・頑健性を高め、実データへの適応を図る。 |
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ISSN: | 1347-443X 1881-4379 |
DOI: | 10.11239/jsmbe.Annual56.S421 |