肝癌治療における肝切除に関する現状と課題

肝癌に対する肝切除における内科医と外科医の現状と肝切除に対する考え方を整理することを目的にアンケートを実施した.九州肝臓外科研究会世話人施設15施設の内科医および外科医を対象とした.切除のボーダーラインに関して内科医は個数とVpに関して制限を,外科医はVvに制限を感じていた.イメージ症例に対してBCLC-B・up to 7 outは内科医・外科医ともにICIを選択し,内科医は奏功しても切除の選択は少なかった.門脈近接症例に対して外科医はConversion企図の治療選択であったが,内科医は治療奏功後に結果として切除を選択していた.内科医としての切除前後での関わりに関してはConversionを...

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Published in肝臓 Vol. 64; no. 1; pp. 1 - 11
Main Authors 吉住, 朋晴, 江口, 晋, 栗原, 健, 伊藤, 心二, 日髙, 匡章
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 01.01.2023
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ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.64.1

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Summary:肝癌に対する肝切除における内科医と外科医の現状と肝切除に対する考え方を整理することを目的にアンケートを実施した.九州肝臓外科研究会世話人施設15施設の内科医および外科医を対象とした.切除のボーダーラインに関して内科医は個数とVpに関して制限を,外科医はVvに制限を感じていた.イメージ症例に対してBCLC-B・up to 7 outは内科医・外科医ともにICIを選択し,内科医は奏功しても切除の選択は少なかった.門脈近接症例に対して外科医はConversion企図の治療選択であったが,内科医は治療奏功後に結果として切除を選択していた.内科医としての切除前後での関わりに関してはConversionを企図した薬物療法・局所治療の選択を希望していた.今後さらに複雑化する肝癌治療において肝切除と薬物治療・局所治療をシームレスに行うためにより一層内科医と外科医の意識改革が必要であることが明らかとなった.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.64.1