ブレオマイシン肺線維症モデルマウスに対する幹細胞イメージング診断治療法の構築

「1. はじめに」肺線維症は間質内で炎症が起こることで, 間質が硬く分厚くなり, 肺全体が線維化していく疾患である. この疾患は原因不明の進行性疾患であり, 自覚症状が出始めてからの生存期間は一般的に3~5年と言われている. 従来の治療法として, 抗線維化薬や肺移植による治療が行われているが, 効果的な治療薬に乏しく, またドナー不足の問題があり, 広く普及していない. そのため, 近年では再生医療への期待が高まっている. 特に, 体性幹細胞を用いた幹細胞治療は安全性が高く, 侵襲性も低く, 治療効果も期待できることから肺線維症への応用が期待されている. しかし, これまで肺線維症に対する幹細...

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Published inOrgan Biology Vol. 29; no. 2; pp. 138 - 143
Main Authors 馬場, 嘉信, 森田, 紗布, 湯川, 博, 佐藤, 和秀
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臓器保存生物医学会 2022
日本臓器保存生物医学会
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ISSN1340-5152
2188-0204
DOI10.11378/organbio.29.138

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Summary:「1. はじめに」肺線維症は間質内で炎症が起こることで, 間質が硬く分厚くなり, 肺全体が線維化していく疾患である. この疾患は原因不明の進行性疾患であり, 自覚症状が出始めてからの生存期間は一般的に3~5年と言われている. 従来の治療法として, 抗線維化薬や肺移植による治療が行われているが, 効果的な治療薬に乏しく, またドナー不足の問題があり, 広く普及していない. そのため, 近年では再生医療への期待が高まっている. 特に, 体性幹細胞を用いた幹細胞治療は安全性が高く, 侵襲性も低く, 治療効果も期待できることから肺線維症への応用が期待されている. しかし, これまで肺線維症に対する幹細胞治療の効果についての研究がいくつか行われてきているが, 未だに臨床応用には至っていない. この原因としては, 移植幹細胞の生体内挙動, 及び治療効果は未解明な部分が多く, 治療法を最適化できていないことが挙げられる.
ISSN:1340-5152
2188-0204
DOI:10.11378/organbio.29.138