補助人工心臓治療中のランプテストの結果は予後予測に有用か
補助人工心臓治療中の患者に対して回転数を段階的に変更しながら血行動態検査を行う手技をランプテストと呼ぶが,回転数変更時の血行動態値の変化率(これをスロープと呼ぶ)の臨床的な意義はわかっていない.本研究では,39人の患者(60.4歳,24人男性)がHeartMate II(Abbott, Pleasanton, CA)補助人工心臓植込み後304日(中央値)にランプテストを施行した.コックスハザード比解析の結果,各種スロープの中で,右室一回仕事量係数スロープが2.61 g/m/stepより高いことが,1年間の死亡または心不全入院の独立した危険因子であった(ハザード比9.19,p=0.048).右室...
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| Published in | 心臓 Vol. 51; no. 11; pp. 1133 - 1142 |
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| Main Authors | , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
公益財団法人 日本心臓財団
15.11.2019
日本心臓財団・日本循環器学会 |
| Subjects | |
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| ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
| DOI | 10.11281/shinzo.51.1133 |
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| Summary: | 補助人工心臓治療中の患者に対して回転数を段階的に変更しながら血行動態検査を行う手技をランプテストと呼ぶが,回転数変更時の血行動態値の変化率(これをスロープと呼ぶ)の臨床的な意義はわかっていない.本研究では,39人の患者(60.4歳,24人男性)がHeartMate II(Abbott, Pleasanton, CA)補助人工心臓植込み後304日(中央値)にランプテストを施行した.コックスハザード比解析の結果,各種スロープの中で,右室一回仕事量係数スロープが2.61 g/m/stepより高いことが,1年間の死亡または心不全入院の独立した危険因子であった(ハザード比9.19,p=0.048).右室一回仕事量係数スロープが高い群は低い群と比較して1年間の心不全再入院回避生存率が有意に低かった(52% vs. 94%,p=0.002).ランプテスト中に得られるスロープ値の臨床的意義に関して,今後さらなる検討が期待される. |
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| ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
| DOI: | 10.11281/shinzo.51.1133 |