腹腔鏡下に摘出した低異型度虫垂粘液腫瘍の軸捻転症の1例

症例は75歳,男性。1日前からの右下腹部痛を主訴に当院受診し,CT検査で骨盤内に120×80×65mm大の囊胞性腫瘤を認め,虫垂と連続していることから虫垂粘液囊腫と診断した。腹痛を伴っており,破裂の危険性があることから緊急手術の方針とした。鏡視下に観察すると虫垂は腫大し,根部側で軸捻転をきたしていた。囊腫を愛護的に扱い,損傷なく摘出した。病理学的には低異型度虫垂粘液腫瘍(low-grade appendiceal mucinous neoplasm:以下,LAMN)であった。LAMNの軸捻転症はまれな疾患であり,腹腔鏡下切除についての報告例は少ない。LAMNの腹腔鏡下切除についての考察を加えて...

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Published in日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 43; no. 1; pp. 77 - 81
Main Authors 瀨尾, 雄樹, 杉浦, 清昭, 西, 雄介, 岸田, 憲弘, 原, 裕明, 岡田, 純一, 戸倉, 英之, 清水, 和彦, 高橋, 孝行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 31.01.2023
Subjects
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ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem.43.77

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Summary:症例は75歳,男性。1日前からの右下腹部痛を主訴に当院受診し,CT検査で骨盤内に120×80×65mm大の囊胞性腫瘤を認め,虫垂と連続していることから虫垂粘液囊腫と診断した。腹痛を伴っており,破裂の危険性があることから緊急手術の方針とした。鏡視下に観察すると虫垂は腫大し,根部側で軸捻転をきたしていた。囊腫を愛護的に扱い,損傷なく摘出した。病理学的には低異型度虫垂粘液腫瘍(low-grade appendiceal mucinous neoplasm:以下,LAMN)であった。LAMNの軸捻転症はまれな疾患であり,腹腔鏡下切除についての報告例は少ない。LAMNの腹腔鏡下切除についての考察を加えて報告する。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.43.77