オトガイ下縁形成骨片の移動に水酸アパタイト・燐酸三カルシウム複合体補填を併用したオトガイ形成術

「緒言」オトガイ形成術として, オトガイ下縁に形成した骨片を移動し, 目的を達成する方法が広く用いられている1-3). 一方, 人工材料をオトガイ前面に埋入することで, 目的を達成する方法も報告されている4, 5). オトガイ部は舌骨上筋群やオトガイ筋等の付着部位でもあり, オトガイ形成術を適用する場合, これらの筋機能についても考慮する必要がある. すなわち, 形態的改善だけ でなく筋肉付着部位の位置的改善に伴う機能的改善をも考慮した, いわゆる機能的オトガイ形成術について考える必要がある6-10). オトガイ下縁に形成した骨片の筋を剥離することなく移動するオトガイ形成術は, 筋肉付着部位の...

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Published in日本顎変形症学会雑誌 Vol. 12; no. 1; pp. 15 - 23
Main Authors 後藤, 哲, 佐藤, 修一, 山口, 晃史, 川村, 仁, 長坂, 浩, 勝部, 朝之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本顎変形症学会 2002
日本顎変形症学会
Subjects
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ISSN0916-7048
1884-5045
DOI10.5927/jjjd1991.12.15

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Summary:「緒言」オトガイ形成術として, オトガイ下縁に形成した骨片を移動し, 目的を達成する方法が広く用いられている1-3). 一方, 人工材料をオトガイ前面に埋入することで, 目的を達成する方法も報告されている4, 5). オトガイ部は舌骨上筋群やオトガイ筋等の付着部位でもあり, オトガイ形成術を適用する場合, これらの筋機能についても考慮する必要がある. すなわち, 形態的改善だけ でなく筋肉付着部位の位置的改善に伴う機能的改善をも考慮した, いわゆる機能的オトガイ形成術について考える必要がある6-10). オトガイ下縁に形成した骨片の筋を剥離することなく移動するオトガイ形成術は, 筋肉付着部位の位置的改善をも期待できる方法である. この方法は, 人工材料の埋入によるオトガイ形成術より機能的オトガイ形成術として勝っていると考えられる. しかし, オトガイ下縁形成骨片の移動を行おうとするとき, オトガイ部の変形の程度によっては, 下顎骨と移動骨片との間に大きな段差や間隙を生ずる場合がある.
ISSN:0916-7048
1884-5045
DOI:10.5927/jjjd1991.12.15