肺癌との鑑別に難渋した肺MAC症によると思われる肺嚢胞の1例
73歳,女性.71歳時,検診で右下葉に16×10mmの結節を指摘された.気管支鏡検査で悪性所見を認めず,Mycobacterium avium (M. avium)陽性であったが,症状はなく経過観察していた.72歳時,咳嗽と喀痰が出現し,喀痰培養検査でM. avium陽性であったため,CAM+EB+RFPの3剤併用療法を開始した.症状は改善するも結節は残存していた.73歳時,結節が19×14mmへ増大したため,肺癌を考慮してFDG-PET/CTを施行した.SUVmax 1.8と軽度の集積を認めたため手術を行うと,組織検査で悪性所見はなく液体貯留を伴う嚢胞であった.M. aviumに伴う肺嚢胞と...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 83; no. 1; pp. 52 - 56 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2022
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.83.52 |
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Summary: | 73歳,女性.71歳時,検診で右下葉に16×10mmの結節を指摘された.気管支鏡検査で悪性所見を認めず,Mycobacterium avium (M. avium)陽性であったが,症状はなく経過観察していた.72歳時,咳嗽と喀痰が出現し,喀痰培養検査でM. avium陽性であったため,CAM+EB+RFPの3剤併用療法を開始した.症状は改善するも結節は残存していた.73歳時,結節が19×14mmへ増大したため,肺癌を考慮してFDG-PET/CTを施行した.SUVmax 1.8と軽度の集積を認めたため手術を行うと,組織検査で悪性所見はなく液体貯留を伴う嚢胞であった.M. aviumに伴う肺嚢胞と考えられて,他肺葉の感染も示唆されるため術後1年間は3剤併用療法を継続した.内服中止後1年,再燃・再発なく経過している.外科的切除は診断の確定として有用と考えられた. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.83.52 |