体外循環中の拍動流と血液ガスの関係について
Total-Bypass時に定常流から拍動流に移行すると多くの症例でPaO2が低下傾向を示し,F1O2を上げる必要が生じた。そこで,拍動流が血液ガスに与える影響について検討した。対象は拍動流条件および体外循環経過が明確な49例とし,拍動流開始直前の動静脈血液ガスと,拍動流開始後で灌流量,ガス流量,F1O2,送血温のいずれかを調整する直前の動静脈血液ガスを比較検討した。その結果,拍動流開始前と比較して拍動流開始後のPaO2が有意に低値を示した。拍動流使用時の酸素付加能は,駆出時間内では定常流よりも血流速が速くなるために低下傾向に,駆出時間外では血流速が遅くなるために上昇傾向になるが,全体的には血...
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Published in | 体外循環技術 Vol. 32; no. 1; pp. 15 - 18 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本体外循環技術医学会
2005
日本体外循環技術研究会 |
Subjects | |
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ISSN | 0912-2664 1884-5452 |
DOI | 10.7130/hokkaidoshakai.32.15 |
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Summary: | Total-Bypass時に定常流から拍動流に移行すると多くの症例でPaO2が低下傾向を示し,F1O2を上げる必要が生じた。そこで,拍動流が血液ガスに与える影響について検討した。対象は拍動流条件および体外循環経過が明確な49例とし,拍動流開始直前の動静脈血液ガスと,拍動流開始後で灌流量,ガス流量,F1O2,送血温のいずれかを調整する直前の動静脈血液ガスを比較検討した。その結果,拍動流開始前と比較して拍動流開始後のPaO2が有意に低値を示した。拍動流使用時の酸素付加能は,駆出時間内では定常流よりも血流速が速くなるために低下傾向に,駆出時間外では血流速が遅くなるために上昇傾向になるが,全体的には血液量の割合が多い駆出時間内の影響を受けて低下傾向になると考えられた。そのため,PaO2も有意に低値を示したと考えられる。ただし,今回は1回拍出量が酸素付加能に与える影響については考慮していないが,1回拍出量が酸素加装置ガス交換部の充填量と比較して半分以下のような場合には,PaO2の低下傾向は緩和されるのではないかと考えられた。 |
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ISSN: | 0912-2664 1884-5452 |
DOI: | 10.7130/hokkaidoshakai.32.15 |