薬物治療中の関節リウマチ患者に生じた頸部ガス壊疽の1例

免疫抑制状態にある患者において,ガス壊疽は急激に進行し死に至ることもある。今回われわれは,関節リウマチ(RA)に対してプレドニゾロンおよびトシリズマブの投与を受けている78歳の女性に生じ,感染が急速に拡大したガス壊疽の1例を経験したので報告する。患者は,抜歯後3日目に路上で倒れているところを発見され当院へ救急搬送された。左側顎下部から前頸部に著明な発赤と腫脹および悪臭を認めた。患者はRAに対してプレドニゾロンならびにトシリズマブを定期投与中であり,易感染性状態であったために感染が急速に拡大したと考えられた。集中治療室入室後に救急科をはじめ関連各診療科と治療し全身麻酔下にデブリードマンを施行した...

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Published in日本口腔内科学会雑誌 Vol. 29; no. 1; pp. 7 - 12
Main Authors 目瀬, 浩, 大原, 早紀子, 高倉, 裕明, 山本, 大介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本口腔内科学会 2023
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ISSN2186-6147
2186-6155
DOI10.6014/jjsom.29.7

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Summary:免疫抑制状態にある患者において,ガス壊疽は急激に進行し死に至ることもある。今回われわれは,関節リウマチ(RA)に対してプレドニゾロンおよびトシリズマブの投与を受けている78歳の女性に生じ,感染が急速に拡大したガス壊疽の1例を経験したので報告する。患者は,抜歯後3日目に路上で倒れているところを発見され当院へ救急搬送された。左側顎下部から前頸部に著明な発赤と腫脹および悪臭を認めた。患者はRAに対してプレドニゾロンならびにトシリズマブを定期投与中であり,易感染性状態であったために感染が急速に拡大したと考えられた。集中治療室入室後に救急科をはじめ関連各診療科と治療し全身麻酔下にデブリードマンを施行した。60病日目にリハビリテーション目的に転院となった。
ISSN:2186-6147
2186-6155
DOI:10.6014/jjsom.29.7