難治性胆汁漏に対し空腸瘻から内視鏡的胆管ステントを留置し治癒し得た1 例

症例は65 歳男性,肝門部領域胆管癌,十二指腸癌に対し肝左三区域切除術,胆管切除術,胆管空腸吻合術,十二指腸粘膜切除術を施行した。第19 病日に肝断端ドレーンより胆汁の流出を認め胆管空腸吻合部からの胆汁漏と診断,約6 週間,保存的に治療したがドレーンから100 〜300mL/ 日の胆汁流出が続き改善を認めなかった。挙上空腸断端で空腸瘻を作成,そこから内視鏡的に胆管空腸吻合部に胆管ステントを2 本留置したところ,ドレーンからの胆汁量はすみやかに減少し,治療から9 日目にドレーンを抜去できた。退院4 ヵ月後に再入院し,内視鏡下に胆管ステントを抜去,空腸瘻閉鎖術を施行した。術後2 年現在,胆汁漏の再...

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Published in日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 42; no. 1; pp. 57 - 60
Main Authors 小林, 照宗, 夏目, 俊之, 貝沼, 修, 丸山, 尚嗣, 小寺, 輝, 野手, 洋雅
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 31.01.2022
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ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem.42.57

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Summary:症例は65 歳男性,肝門部領域胆管癌,十二指腸癌に対し肝左三区域切除術,胆管切除術,胆管空腸吻合術,十二指腸粘膜切除術を施行した。第19 病日に肝断端ドレーンより胆汁の流出を認め胆管空腸吻合部からの胆汁漏と診断,約6 週間,保存的に治療したがドレーンから100 〜300mL/ 日の胆汁流出が続き改善を認めなかった。挙上空腸断端で空腸瘻を作成,そこから内視鏡的に胆管空腸吻合部に胆管ステントを2 本留置したところ,ドレーンからの胆汁量はすみやかに減少し,治療から9 日目にドレーンを抜去できた。退院4 ヵ月後に再入院し,内視鏡下に胆管ステントを抜去,空腸瘻閉鎖術を施行した。術後2 年現在,胆汁漏の再燃はなく,無再発生存中である。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.42.57