超音波を用いた事前データモデルを用いない腹腔鏡手術ナビゲーションの基礎的検討

背景】手術におけるナビゲーションシステムは、造影CTなどから事前に得られたデータを用い、バーチャル手術室や、高価な機器を用いて行われることが多い。データの作成にもある程度専門的知識も必要であり、一般臨床医にとっては縁遠いものとなっている。また最近では被曝や造影剤は介入になるため、倫理的に一定の配慮が必要である。【目的】一般臨床医でも使用可能な、安価なナビゲーションシステムを構築する。【方法】データの収集には超音波を用いた。手術室内で全身麻酔導入後に、超音波で血管など対象としたいランドマークの位置を記録する。引き続き術野を消毒後に、手術を開始、腹腔鏡の画面に記録したポイントを重畳表示する。超音波...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual56; no. Abstract; p. S384
Main Authors 鈴木, 直樹, 服部, 麻木, 高木, 偉博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2018
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual56.S384

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Summary:背景】手術におけるナビゲーションシステムは、造影CTなどから事前に得られたデータを用い、バーチャル手術室や、高価な機器を用いて行われることが多い。データの作成にもある程度専門的知識も必要であり、一般臨床医にとっては縁遠いものとなっている。また最近では被曝や造影剤は介入になるため、倫理的に一定の配慮が必要である。【目的】一般臨床医でも使用可能な、安価なナビゲーションシステムを構築する。【方法】データの収集には超音波を用いた。手術室内で全身麻酔導入後に、超音波で血管など対象としたいランドマークの位置を記録する。引き続き術野を消毒後に、手術を開始、腹腔鏡の画面に記録したポイントを重畳表示する。超音波プローベと腹腔鏡の位置の読み取りにはARマーカーを用い、マーカー位置取得には、携帯音楽プレーヤーのカメラを使用した。【結果】事前に行った研究室内での測定では誤差は1cm以内であった。泌尿器科の腎臓部分切除で、重畳表示を行い、術者から意見をもらった。【考察】精度1cmをでは、手術の精度を高める目的で用いることは不可能であるが、後腹膜展開などオリエンテーションを喪失しやすい環境で、対象物の方向を文字通りナビゲーションする目的では有効かもしれない。【結果】安価で簡単に利用できるナビゲーションを構築した。オリエンテーションや、決定的なミスを防止する目的では利用価値があるのではいかと考えた。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual56.S384