胆囊十二指腸瘻を保存的に治療した胆石イレウスの1 例

症例は58 歳男性。胆囊結石,慢性胆囊炎の診断で待機的に手術の予定となっていたが,頻回の嘔吐が出現し当院救急外来を受診した。腹部造影CT 検査で胆囊十二指腸瘻と,小腸に嵌頓した胆囊結石を認め,胆石イレウスとして当科に入院となった。入院時に胆管炎を認めていなかったことから,イレウス解除術のみ行い,胆囊十二指腸瘻は保存的に治療する方針とした。第5 病日に手術を行い,胆囊炎・胆管炎症状やイレウスの再発はなく術後8 日目で退院した。退院後4 ヵ月の上部消化管造影検査では,胆囊十二指腸瘻は残存しているものの,縮小を認めた。胆石イレウスに対して小腸切石術のみを行い,胆囊十二指腸瘻を保存的に治療した1 例を...

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Published in日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 42; no. 1; pp. 81 - 84
Main Authors 吉原, 秀一, 長谷部, 達也, 吉原, 悠貴
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 31.01.2022
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ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem.42.81

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Summary:症例は58 歳男性。胆囊結石,慢性胆囊炎の診断で待機的に手術の予定となっていたが,頻回の嘔吐が出現し当院救急外来を受診した。腹部造影CT 検査で胆囊十二指腸瘻と,小腸に嵌頓した胆囊結石を認め,胆石イレウスとして当科に入院となった。入院時に胆管炎を認めていなかったことから,イレウス解除術のみ行い,胆囊十二指腸瘻は保存的に治療する方針とした。第5 病日に手術を行い,胆囊炎・胆管炎症状やイレウスの再発はなく術後8 日目で退院した。退院後4 ヵ月の上部消化管造影検査では,胆囊十二指腸瘻は残存しているものの,縮小を認めた。胆石イレウスに対して小腸切石術のみを行い,胆囊十二指腸瘻を保存的に治療した1 例を経験したので報告する。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.42.81